植物学に詳しい甘啓良さんは07年5月末、湖北省竹渓県にある十八里長峡自然保護区で稀少な天南星(テンナンショウ)を発見した。このほど中国科学院昆明植物研究所の李恒研究員によってこの植物が「ナンゴクウラシマソウ」であることが確認された。「科学網」が12日伝えた。
李研究員によると、ナンゴクウラシマソウには3種類の亜種があるという。原亜種ゲンノショウコは1836年に発表され、日本の九州や四国、本州に分布。別の亜種ウラシマソウは1980年に発見され、これも日本に分布。3つ目の亜種・東台天南星は1996年に台湾で発見され、台湾・花蓮と台北にのみ分布する。竹渓県で発見されたナンゴクウラシマソウはこれらの原亜種で、中国大陸部にとっては新たな記録となる。
ナンゴクウラシマソウは、テンナンショウ属の宿根性の多年草。偏球形の球茎を形成し、葉は通常2枚で、鳥足状をしており、肉穂花序の付属器は細長く下に垂れ、鉄線や鞭のような形をし、最長で26センチにもなる。中国の湖北省と湖南省、日本に分布する。中国大陸部でナンゴクウラシマソウが発見されたのは初めて。
テンナンショウ属植物の多くは中国では漢方薬として利用されている。ナンゴクウラシマソウが湖北省竹渓県で発見されたことは、テンナンショウの起源の研究や、大巴山脈の植物系の研究にとって大きな科学的価値がある。(編集KA)
「人民網日本語版」2009年8月12日