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「七夕」にのぞく現代中国人の愛情観
発信時間: 2009-08-26 | チャイナネット

 今月26日は旧暦の7月7日で、中国の伝統行事の中で最もロマンチックな七夕にあたる。多くの人が七夕を「中国のバレンタインデー」とみなしている。この日が今日のように盛りあがるようになった背景には、中国の伝統重視の風潮にも増して、商売人が後ろ盾していることに大きな関係がある。中国人の恋愛や結婚に対する考え方は数十年の間に劇的に変化した。ここ数年、「売れ残り女性」「エコノミー男子」「電撃結婚」といった恋愛や結婚に関連する新語が続々生み出され、選択肢が増える一方で、都市部の人々に重く圧し掛かる感情的な困惑ややるせなさが伺える。

 「売れ残り男性・売れ残り女性」

 適齢期になってもまだ結婚しない男性・女性が都市部で最近増えている。こういった人たちの多くは高学歴かつ高収入で都市部に住んでいる。自分の条件が優れているため、恋人や結婚相手に対する要求も高くなるのかもしれない。このため好意をもってくれる人を怖気づかせてしまう。

 売れ残り女性勢力の拡大は、社会の進歩と開放と切っても切り離せない。売れ残り女性は社会の「発展病」のひとつだという人もいるくらいだ。本人も「売れ残り女性」の存在は社会がより開放的で自由になったあらわれで、独立・成功した女性はより自由に自らの恋愛や生活を選べると話す。

 「電撃結婚・電撃離婚」

 電撃結婚と電撃離婚は文字通りあっという間に結婚し、あっという間に離婚することを指す。ロマンを追求したり衝動的な性格の若者からすれば、「電撃結婚」と「電撃離婚」は愛情への追及を最も代表するものといえる。重慶師範大学心理学部の周小燕教授の分析によると、03年に「婚姻登記条例」の施行後、離婚手続きが簡素化し、衝動的に分かれる夫婦が増えたという。「80後(80年代に生まれた世代)」は一夜限りの関係、ネット上のバーチャル結婚、不倫、同棲など様々な恋愛・結婚の形態に接触する機会が増えている。しかも嫁姑関係や夫婦関係の処理が下手で、すぐに電撃結婚して電撃離婚するケースが多い。

 「愛情と貧富」

 現代では自由な恋愛が提唱されているが、「家柄がつりあう」結婚という観念が全くなくなったわけではない。両親が子女の結婚に関与するという話はよく耳にするが独身の男性実業家はそういたるところにいるわけではない。

 都市と農村の大きな発展の格差により、都市と農村の人々はそれぞれ異なる結婚観を持つようになった。そこで、都市部の女性と農村部から出てきた労働者の恋愛に特に注目が集まり、愛が都市と農村の「溝」を埋められるかがネットユーザーのホットな話題になっている。

 「大学生の恋愛」

 売れ残り男性・売れ残り女性に関する社会的なニュースに不安をかき立てられた大学生の親たちは早々と事前の準備を始めている。親が「学業中心」を理由に大学生の恋愛に関与することはなくなった。逆に、休みの合間に恋愛の機会を逃さないよう励ます親もいるほどだ。将来売れ残るよりは、大学時代に真の相手を見つけてほしいという親心だろうか。親も物分りがよくなったものだ。

 今では大学生を「二号」や「三号」にするというニュースも驚かれなくなった。物質的な豊かさを享受すると同時に、かつて純粋だったキャンパスでの恋愛も失われつつあることにも目を向けなければならない。(編集KA)
 
 「人民網日本語版」2009年8月26日

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