1千年の歴史を誇る「中国蜀道」の世界文化ルート遺産への登録申請準備作業が進められている。
今回の「蜀道」の登録申請は、中国共産党四川省委員会宣伝部、四川省文化庁、四川省建設庁、四川省旅遊(観光)局、広元市人民政府が共同で行う。四川省広元市は11月9日から11日まで、「2009年中国蜀道・広元国際フォーラム」を開催、同フォーラムで蜀道の世界文化ルート遺産への登録申請を正式に提案する。フォーラムでは、「蜀道世界遺産申請」をテーマに、蜀道の文化ルート遺産としての価値や遺産保護・利用といった議題をめぐり、関連専門家の間で掘り下げた討論が繰り広げられる予定。
同済大学、復旦大学、広元市はこれまでに、剣門蜀道(広元市付近の蜀道)を主な対象として、蜀道沿線の文化ルート遺産に関する総合調査研究を共同で進め、調査研究報告書を完成させた。同報告書によると、蜀道は歴史的に成都平原から関中平原を繋ぐ道で、道沿いの様々な地域の異なる建物、文学、民間文化を融合してきたという。蜀道は中国西部で最も影響力が大きく、最も往来が頻繁な文化経済の伝播ルートであり、南西と西北を跨り超えた最も活発かつ最も盛んな商業貿易ルートでもある。
1993年、スペインの「サンティアゴ・デーコンポステーラの巡礼道」が世界遺産リストに登録された。これは、世界文化遺産リストに登録された初めての道となった。イコモス(ICOMOS・国際記念物遺跡会議)は2008年、「文化ルート憲章」を採択、文化ルートは新しい大型遺産類として、世界遺産のカテゴリーに組み入れられた。それまでの15年間に、フランスの「ミディ運河(Canal du Midi)」や「サンディエゴの巡礼道」などの「文化の道」が世界遺産リストに登録されていた。
「文化ルート憲章」に入っている30カ所以上の文化ルートの世界遺産委員会への推薦がすでに承認されている。中国の「シルクロード」と「大運河」も推薦リストに入っている。(編集KM)
「人民網日本語版」2009年11月3日