中国農業科学院が明らかにしたところによると、中国農業科学院・バイオ技術研究所の範雲六院士率いる研究チームが12年間をかけて完成させた「高フィターゼ遺伝子組換えトウモロコシ研究プロジェクト」が、このほど農業部が発行する遺伝子組換え生物安全証書を取得した。遺伝子組換え穀物に安全証書が発行されたのは今回が初めて。これにより、同トウモロコシの産業化が正式にスタートすることとなった。人民網が2日に伝えた。
同プロジェクトは中国農業科学院がここ数年重点的に管理、研究してきた重大プロジェクトの一つだ。厳格かつ規範的な安全評価を経て、同トウモロコシは2005年-2008年までに、農業部による各安全テストに合格、2008年12月には農業部安全評価委員会の審査に合格した。
中国農業科学院バイオ技術研究所の林敏所長によると、同トウモロコシは中国が初めて安全証書を発行した穀物で、高フィターゼ遺伝子組換えトウモロコシの開発に成功したのは世界初となる。
12年をかけて得られたこの重大成果は、国際的に見ても同類研究の中でトップレベルの技術を誇る。同トウモロコシの産業化は、中国の作物バイオ技術産業化のプロセスにおいて、新時代を切り開く重要な意義を持つ一里塚であり、農業バイオ技術にとっては、遺伝子組換え防虫綿の産業化に続く、大きな潜在力を持つ農業ハイテク新興産業となる。
このことは、中国のトウモロコシ産業の国際競争力向上、飼料・養殖業の持続可能な発展を促進する上で、重大な影響を与え、貢献を果たすこととなる。(編集SN)
「人民網日本語版」2009年12月3日