中国の科学者はこのほど、ヒトゲノムの中に個体群特有、さらには個体特有のDNA配列と機能的遺伝子があることを発見し、ヒトゲノム研究において重大な進展を得た。科学者らはまた、「ヒューマン・パンゲノム(human pan-genome)」という概念を打ち出した。「新華網」が8日に伝えた。
深セン華大遺伝子研究院が中心となって執筆し、華南理工大学が参加した研究論文「ヒューマン・パンゲノムマップの構築(Building the sequence map of the human pan-genome)」が7日、米国の科学雑誌「ネイチャーバイオテクノロジー」で発表された。
研究では、第2世代のDNA配列解読装置(シーケンサー)と、独自開発したゲノム組み立てソフトを使い、アジア人初のゲノム「炎黄一号」に対して、更なる配列解読と組み立てを行った。
この結果、ヒトゲノムの中に、これまでに公認されている、一塩基多型(single nucleotide polymorphism)、挿入・削除の多型、構造変異などの他に、主にアジア人個体群に見られる遺伝子配列など、個体群さらには個体特有のDNA配列と機能的遺伝子が存在することが発見された。
科学者はまた、ここ2年間で発表されたアフリカ人のゲノムと韓国人のゲノムを組み立てなおし、同様の結論に至ったほか、ヒトのゲノム全体をひとつの集合体として扱う概念「ヒューマン・パンゲノム」の概念を初めて打ち出した。(編集SN)
「人民網日本語版」2009年12月9日