地上に来たトラは獅子、クマ、馬が当時最も強い動物だと知った。トラはこの3種類の動物に挑戦し、勇猛さと高い武芸の術で獅子、クマ、馬を立て続けに破った。他の乱暴な動物はこの話を聞いて、誰も住んでいない森林や荒野に隠れた。人々は喜び、トラの功績に感謝した。
天に戻ると、玉帝はトラが3度続けて勝利したことからトラの額に3本の横線を刻んだ。その後、人間はまた東海の亀の怪物に悩まされ、トラがまた地上を訪れて亀の怪物を退治した。玉帝は喜び、再びトラの功績を讃えて額の横線3本に更に1本の縦線を加えた。こうしてトラの額には目立つ「王」の字がつくようになった。それ以来トラは百獣の王として、獣を支配することになった。それ以来、トラの額には今でも堂々たる「王」の字がある。
獅子の悪行が天の宮にまで伝わると、玉帝は獅子を十二支から除いて、代わりにトラを入れることにした。それ以来、トラは十二支の動物になり、獅子は遠い南方に追いやられた。当然、トラは玉帝の宮殿前の衛兵から地上へと戻り、地上の平穏を長く守ることとなった。
「人民網日本語版」2010年2月10日