米国に流出して6年が過ぎた唐玄宗の妃である貞順武皇后・武恵妃の敬陵で盗難にあった外棺が17日、陝西歴史博物館に引き渡された。これは陝西歴史博物館にとって初めて海外から戻ってきた盗難文化財であり、今後は同館に所蔵され、無料で公開されることになっている。
科学的や芸術的な面で非常に貴重な文化財であるこの外棺は、陝西省西安市長安区大兆郷龐留村の敬陵で盗難の被害にあった。宮殿を模した外棺は、高さ約2.45メートル、幅約2.58メートル、長さ约3.99メートルで、今のところ保存状態が最もよく、大きさも最大で、人物画や山水画、花鳥画など、絵画的な価値も非常に大きい。
陝西歴史博物館文化財収集所の師小群所長は「文献の記載によると、この墓に埋葬されていたのは武恵妃で、外棺には神獣や唐時代の建築の文様が施され、出土した残骸が哀冊文に記載されている通りであったことから、この墓の主を武恵妃だと確定した」と説明する。
師小群所長によると、石室墓の通路の上部は色とりどりの瑞雲や鶴が飾られ、墓室の西壁には山水、北壁には男装の侍女、その左には6種類の雑技、東壁には庭園や歌舞の様子が施されているという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年6月18日