この10年間で、中国の研究開発支出は7倍、科学論文の出版量は2倍となり、中国の科学・工学博士課程修了者の人数は、米国に次ぐ2位となった。また、インドと韓国の経済的実力の強化により、アジアは現在急速に科学・工学研究の推進に向けた重大な力となりつつある。このほか、世界経済衰退の影響を受け、EU、日本、米国の歩みは日に日にスローダウンしている。
これは、このほど発表された「ユネスコ・科学白書2010」で主に明らかになったことの一部だ。「光明日報」が12日に伝えた。
同白書によると、2008年の米国サブプライム危機によって引き起こされた世界的な経済衰退において、日本を除く、アジアの大部分の地域は影響を受けなかった。中国は今年8月、日本を抜いて世界第2の経済体となった。その原因の一部は、中国政府が工業部門に大量の資金を投入したことにある。2000年?2008年、中国国内の研究開発総支出は896億元(約108億ドル)から4616億元(約665億ドル)に増加し、年平均増加率は22.8%に達した。研究開発総支出がGDPに占める割合も2000年の0.9%から2008年には1.54%にまで上昇した。
研究者の絶対数を見ると、中国は米国とEUをまもなく追い越そうとしている。2002年-2007年、中国の研究者の数は81万500人からほぼ2倍の142万人に増え、世界総数の約20%を占めた。また、中国が世界の科学出版に占める割合も高まり続けている。SCIが統計した科学出版物の数に基づいて計算すると、中国の占める割合は2002年には5.2%だったのが、2008年には10.6%となり、米国に次ぐ2位となった。
しかし同白書は、これらの数字は強い印象を与えるものだが、中国が先進国と肩を並べるまでにはまだ長い道のりがあると指摘している。2007年の米国の研究開発支出は3671億ドルで、中国の5.5倍だった。(編集SN)
「人民網日本語版」2010年11月15日