米国に渡った中国近代文学を代表する女流小説家・張愛玲（アイリーン・チャン）氏が亡くなる前に残した最後の遺稿「少帥」が現在、整理されていることが明らかになった。香港紙「大公報」の報道として「揚子晩報」が伝えた。

　張愛玲氏は1961年に香港を訪れ、親友の宋淇と●文美夫妻の家に身を寄せたことがある。1995年に張愛玲氏がロサンゼルスのアパートで亡くなった後、張愛玲氏の遺品を管理したのがこの夫妻だ。夫妻の息子である宋以朗氏は、現在の張愛玲氏の遺産執行人だ。現在、宋氏は張愛玲氏が最後に残した遺稿「少帥」を整理しているところだという。この原稿は、張作霖氏の長男で、中華民国の軍人・政治家だった張学良氏の伝記だ。この本の出版時期について、宋氏は「2年前に手書き原稿の整理を開始し始めたばかりで、恐らくまだしばらくの時間がかかると思われる。出版時期は状況を見ながら決める」と語った。

　張愛玲の研究者・陳子善教授によると、1961年10月に張愛玲氏は張学良氏を取材するために台湾に向かったという。「当時、張愛玲氏は張学良の伝記『少帥』を書くつもりだったが、ずっと張学良氏を取材できずにいた。というのも、当時張学良氏は台湾政府に軟禁されており、張愛玲氏の取材を受けることができなかったからだ」。その後、張愛玲氏は台湾と香港の旅について、旅行エッセイ「重訪辺城」の中で綴っている。
　＊●は廣へんの右にござとへん

　「人民網日本語版」2013年3月27日