江蘇省南京市文化部門によると、南京六朝博物館が8月11日に一般公開される予定という。世間の注目を集める同館秘蔵の六朝時代旧城壁も、1千年以上に及ぶ眠りから静かに目覚めの時を迎え、人々の前に姿を現す。中国新聞社が報じた。
南京六朝博物館は、南京総統府の東側に位置する。2008年、法外な価格でオークションに売り出された商業用の「地王(破格の値段で取引される土地)」で、予備開発段階の考古学調査が行われた際、地下2メートルの深い地点に遺跡が見つかった。考証の結果、この遺跡は1700年前の六朝健康宮城(台城)の建物であることが判明した。
文化財専門家による度重なる論証を通じ、この商業地は六朝文化博物館の建設予定地に変更され、米国のI.M.ペイ建築事務所が博物館の全体設計を担当することになった。
ベージュの建物の東側と西側は、地下一階地上三階建ての博物館で、南西側にはホテルが建設された。博物館の地下1階には、六朝城壁の遺跡が展示される。1階には、高さ16メートルの「サンシャイン・ホール」が設けられ、シースルー式の屋根と壁を通して、太陽光がホール内にさんさんと降り注ぐ。ホールに立った来場者は、床から天井まで広がる透明のガラスを通し、城壁遺跡を真上から観賞することができる。2階と3階には、主に文化財が展示される。
博物館地下一階の秘蔵エリアに収められた六朝城壁遺跡は、新たに築かれた幅約1メートル、高さ約5メートルのコンクリート壁に保護されているため、残念ながら、来場者が古代の趣がそのまま残された遺跡を観賞するといった雰囲気はなさそうだ。
同博物館の展示作業を請け負った広州市美術有限公司工程部の劉宏総監は、「この六朝城壁遺跡は、土を硬く突き固めて造られた壁で、下の部分は水に浸みている。遺跡保護という観点から、最終的に、遺跡前方の保護壁を模造することとした」とコメントした。
博物館側は、六朝城壁遺跡をより良い状態で保護する目的で、地下一階の展示プランの改正を重ねてきた。劉総監は、展示作業で工夫した点について、次の通り語った。
今回模造した保護壁は、本来の城壁遺跡の本来の姿を可能な限り留めるよう力を尽くした。保護壁の中は空洞で、本物の城壁遺跡との間には隙間がある。城壁の最も高い部分で繋ぎ合わせた以外、繋ぎ合わせた部分はない。遺跡の下部が水に浸みているため、排水パイプも用意した。遺跡の外周に設けた観賞用台に上ると、遺跡がより見やすくなる。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年7月19日