宇宙開発技術を取り入れ、カーボン繊維を使用した子供用安全ベンチ。循環空気清浄機能を持ったベビーカー……。これら高級子供用品を作ったのは、海外ブランドではない。中国メーカーの「イノベーション」の産物である。
上海で行われている「2015年中国国際子供用品展覧会」では、様々な新機能を持ち、多様な技術と素材を使った、「中国製造のイノベーション」を体現した製品が紹介されている。長期にわたり国際産業チェーンで川下に甘んじていた中国の子供用品およびおもちゃ産業は、その旧来のイメージを変えている。14.5万平米の展覧会会場において、20以上の国と地域からやって来た1000に上る海外ブランドと競っている。
中国玩具子供用品協会の会長である梁梅氏は、長年の改革とグレードアップを経て、中国の子供用品とおもちゃ産業は、単なる生産業からイノベーティブな製造業へと変化していると述べた。その上で、核心技術の分野で独自の知的所有権が少なかったことから「業界は大きくても弱い」という状況だった中国の製造業に変化が生じていると指摘。この業界では、国際的影響力のある企業やブランドが急速に成長しており、従来の労働集約型からいち早く脱却するダークホースのひとつになっていると述べる。
同協会の統計データによると、世界経済が伸び悩み、国内経済も落ち込む状況の中、今年1~8月の中国における子供用品(おもちゃを含む)は、輸出額が315.63億ドルとなり、昨年同期比で13.5%増加した。国内市場はそれを上回る20%の増加となっている。
同協会は、中長期的にみて中国は、世界最大の子供用品およびおもちゃ生産加工基地としての地位を維持すると予測。同時に、「中国製造のイノベーション」が盛り上がることで、中国は徐々に同業界のイノベーション試験地または市場競争の主戦場になっていくと予想している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年10月22日