中国人科学者は1億6400万年前のジュラ紀中期の地層から、草本植物の化石を発見した。これは世界最古の草本植物の発見であり、被子植物の進化に関する観点の見直しを迫っている。
この「渤大ジュラ草」と命名された植物の化石は、渤海大学古生物センターの韓剛教授が、内モンゴル自治区寧城県の道虎溝から発見したものだ。植物の化石は典型的な草本植物のように見え、高さは4センチに満たないが、根・茎・葉・実の保存状態が良好だ。
韓氏は、「果実があることから、この植物が熟しており、被子植物であることが分かる。ゆえにこの渤大ジュラ草は、紛れもなく被子植物だ」と述べた。
これはありふれた結論のように見えるが、この植物がジュラ紀中期の地層から見つかったことで、特別な意義を持っている。欧米の植物学界の多くの人は、被子植物は白亜紀に生まれたと考えているからだ。渤大ジュラ草の年代は、白亜紀より約4000万年早い。
中国の有名な植物学者の李秉滔氏は、「非凡な発見」と評価した。
李氏によると、被子植物は世界で最も繁栄している植物群だが、その起源と早期の進化については、これまで大きな謎とされてきた。
植物専門家はこれまで、被子植物のうち木本類が最も原始的で、草本という形態は木本の進化によって生まれたと判断していた。渤大ジュラ草の発見は、この観点に問題を突き付け、教科書に記載されている被子植物の進化に関する観点の見直しを迫っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年3月8日