オンライン決済サービス「支付宝(アリペイ)」は杭州西湖文化広場で8日、最新の顔認証決済技術「Smile to Pay」を発表した。同技術はアリババ傘下の螞蟻金融服務集団と「Face++」が共同開発したもので、認証精度は人の目を上回る。顔認証は近年、銀行、電子商取引、安全などの分野で広く活用されている。金融・IT大手が力を入れており、産業は急成長を迎えている。業界関係者は、顔認証の未来の市場規模は数千億元に達すると予想した。業界は大ブームを迎え、波に乗ろうとしている。
支付宝の顔認証技術
支付宝は公式ミニブログで昨日、「杭州西湖文化広場で本日、Smile to Pay顔認証技術が登場する」と投稿した。この決済認証技術は螞蟻金融服務集団とFace++が共同開発した。Face++の顔認証技術の精度は99.5%に達し、人の目の97.52%を上回り、双子を見分けられるほどだ。顔認証に必要な構造・五官・筋肉などのデータ処理・分析は、阿里雲計算有限公司が提供。
顔認証は顔の特徴に関する情報を使い身分を認証する、一種の生体認証技術だ。カメラによって顔の画像や動画を撮影し、その中から特定の顔をキャッチし、分析を行う。
生体認証技術は近年、金融やインターネットなどでの応用で、かつてないほど注目を集めている。顔認証は政府、軍隊、銀行、社会の福利厚生、電子商取引、安全などの分野で広く活用されている。金融・IT大手も顔認証に力を入れている。アリババとテンセントは昨年より、顔認証決済計画を発表した。北京市で3月26日に行われた、2016年度大学高水準スポーツチーム生徒募集統一テストでは、受験生の身分を認証するため顔認証技術が初めて使用された。技術の成熟化、人々の個人情報の安全性への需要の拡大により、顔認証技術が関連分野に広く普及することになるだろう。
顔認証が普及
技術的に見えると、顔認証の精度は人の目を超えており、大規模普及のソフト・ハード面の条件も整っている。金融・安全の切実な需要が存在し、IT大手の駆け引きの舞台となっている。中国の今後3年内の顔認証産業の年間売上は100億元を突破し、急成長を遂げると予想されている。産業化のペースも大幅に加速される。
興業証券は研究報告書の中で、次のように予想した。
インターネット時代において、顔認証技術の価値を過小評価できない。ビジネスモデルの革新に伴い、顔認証の世界的な市場規模は1兆元を超える。中国は人口が多く、インターネットが普及しており、世界トップの顔認証技術を持つ。そのため中国は顔認証の主戦場となり、未来の市場規模は1000億元を超える可能性がある。インターネット金融と安全は、顔認証の普及拡大の急先鋒になる。インターネット金融業は「遠隔顔認証+身分証の照合」により身分認証を行い、なりすましを効果的に防止する。顔認証技術はインターネット金融業界の標準スペックになる。安全面で、顔認証は作業効率を大幅に高め、治安管理コストを引き下げるため、応用の将来性が高い。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月8日
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