初の頭部移植手術、2017年末に実施か
初の頭部移植手術、2017年末に実施か。
タグ： 頭部移植手術,手術,脊髄損傷
ヴェレリー・スピリドノフさん
イタリアの神経外科医、セルジオ・カナベーロ氏が再びメディアの注目を集めている。カナベーロ氏は、幼い頃から脊髄性筋萎縮症を患っている、ロシア人のヴェレリー・スピリドノフさんに対して、2017年末に「頭部移植手術」を実施すると発表した。倫理的な論争はさておき、このような手術は信頼できるのだろうか？これは医療技術の進歩なのか、それとも売名行為なのだろうか？
カナベーロ氏が「頭部移植手術」という構想を打ち出したのは、今回が初めてではない。カナベーロ氏は2013年に学術誌に掲載した文章の中で、自らの理論について説明していた。2015年には米国で開かれた神経整形外科学会の年次総会で計画を紹介し、ロシア人プログラマーのスピリドノフさんが初の手術を受ける志願者になることを発表した。しかしカナベーロ氏は毎回メディアからもてはやされているが、医学界の同業者から十分に支持を集めていない。
ロシア連邦保健・社会開発省からニジニ・ノヴゴロド州に派遣されている移植医師は、頭部移植の成功の鍵は、切断された神経（特に脊髄）の適合と回復にあると指摘した。既存の技術では、これは不可能だ。特に首がそうで、他人の脊髄を頸部に移植した例はない。頭部を移植し新たな体に指示を出すためには、脊髄損傷の回復の重大な進展が必要だ。これがなければ移植しても無駄なことで、麻痺したままだ。米国退役軍人省の神経学者は、手術の成功の可能性は低いと話した。頭部移植の実現は、数年後ではなく数世紀後のことだという。
米ニューズウィークの最新の記事によると、この手術には150人以上の医療チームが必要で、36時間かかると見積もられている。手術費は2000万ドル。最も難しいのは、脊髄の接合だ。すべてが順調であれば、患者は術後4ヶ月以上に渡り、人為的に意識不明に誘導される。医師はその間、患者の脊髄神経の連結と機能回復を促す。カナベーロ氏は、患者は一年内に歩くことを覚え、新たな体に適応すると述べた。
米国の著名神経外科医、スタンフォード大学名誉教授のアドラー氏は、「理論的には、構想の通りすべてが順調に進んだ場合、このロシア人患者が手にする最も理想的な結果は、米国人俳優のクリストファー・リーヴと同じ水準だ。新しい体の機能は、以前の体と本質的に変わらない」と指摘した。クリストファー・リーヴはスーパーマンを演じたが、馬術競技会で落馬し、首から下が麻痺した。アドラー氏はまた、手術の複雑性により、患者の脳は常に取り返しの付かない損傷を被る可能性があると強調した。
「中国網日本語版（チャイナネット）」 2016年5月4日
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