ここ数日、成都市は暑い日が続いており、梅燕さんはこまめに赤ちゃんパンダに水を飲ませている。1頭の腕白なパンダが梅燕さんの手を噛んでいる
近ごろ、飼育員と赤ちゃんパンダが竹かごを奪い合う動画がミニブログで次々と転送されている。動画には、落ち葉を掃きながら「小さな国宝」と一緒に回る女性飼育員の姿が映っている。女性飼育員が落ち葉を竹かごに入れた途端に数頭のパンダがやってきてかごをひっくり返し、「混戦」の後に落ち葉が散らかった。女性は四川省の方言で「もう!あっちで遊んで。もう疲れた…」と言い、観光客の笑い声が聞こえる。あるネットユーザーは、「国宝は本当に腕白。落ち葉を掃く女性に同情する」と書き込んだ。
動画の中のこの女性は成都パンダ基地で働く1980年代生まれの飼育員・梅燕さんだ。この仕事に就いて8年になる彼女はすでにベテランで、これまでに50頭のパンダを飼育した。「毎日50キロ以上の排泄物を片付け、50キロ以上の笹を運び、パンダの世話は朝から晩までの体力仕事。体じゅうに筋肉がついた」と梅燕さんは話す。
空が明るくなり始める朝6時過ぎ、パンダ基地の産室当直室の明かりはもうついている。夜勤の梅燕さんは顔を洗う暇もなく9頭の赤ちゃんパンダにミルクを与え、そのうちの5頭をお母さんの所に連れて行く。残りの4頭は粉ミルクで人工飼育する。
ミルクを与えた後、屋外の活動場所に移す。ぽっちゃりした赤ちゃんの体重は15キロ以上あり、抱きかかえて何度も行き来し、梅燕さんは汗だくになる。
赤ちゃんパンダは非常にかわいく、抱きかかえると癒されるが、爪と歯が鋭く、噛まれて叫び声を上げることもよくある。「夜勤が一番大変。家に帰れず、寝ることもできない。特に、春の交配の時期は夜中まで働くことも多い。パンダの出産が近づくと2時間おきに起きて観察し、ちゃんと眠ることはできない」と梅燕さん。彼女によると、最も大変だったのは2008年で、生まれたばかりの赤ちゃんを世話するため、車で10分程の距離だが2ヶ月以上も帰宅できず、パンダ基地で生活した。大変だが、彼女には達成感もある。かわいいパンダが健康に成長していくのを目にすると自分の苦労は無駄ではなかったと感じ、自分の家族のように思っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月1日