賑やかな中国の春節と厳かな日本の正月

賑やかな中国の春節と厳かな日本の正月。

タグ: 厳かな日本の正月

発信時間: 2016-06-14 09:38:54 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

渡辺英子

私が中国で春節を過ごすのは、3回目。といっても、これまでの2回は90年代初め、留学生としての身分で外国人に囲まれて大学校内で過ごしたのでほとんど春節の気分はなく、課題に追われて終わった休暇というイメージしかなかった。

日本には春節という風習はない。すなわち、今回の春節は中華圏で過ごす初めての貴重な体験だ。事前に調べて、水仙の鉢寄せや福の字の飾りを購入したり、春節期間中に予定される廟会(縁日)の情報を集めたりして、自分の気持ちを盛り上げていた。

北京の町で徐々に春節の準備がはじまり、会社でも一年を慰労する宴会が開催されたりすると、本当に中国にとって“年が変わる”のは春節なのだと実感する。ここだけ世界が違うみたいだ。そして、いつもどこでも人だらけの北京が閑散としはじめた。

年越しの晩、すさまじい視聴率を誇る春節晩会を横目で見ながら、ふだんと同じ食事をする。友人はみんな、帰省したり、旅行に行ったりして北京不在だ。自分としても、元旦に年を越しているので、普段どおりに過ごすのに何の躊躇もない。中国の芸能界にはあまり詳しくないので、歌やコントのよさはよくわからない。しかし、やはり世界で有名な舞踏家のヤン・リーピンの演技と演出には心が揺さぶられた。そして、年を越えても続く晩会の豊富な内容に、中国の文化の豊富さと広がりを実感する。

大晦日に当たる22日夜の花火とばくちくには、かなり驚いた。火薬発祥の国らしい激しさと華やかさだ。海淀区にある小さなアパートの私の部屋からも打ち上げ花火が、あちこちから打ち上げられるのを眺めることができた。そして何よりあの音のすごいこと。制限されている都市が多く、中国のどこででも楽しめるものではないらしいが、とにかく賑やかだ。そして、年が明けて大年初一、23日の午前中、有名な地壇公園の廟会に繰り出してみた。同僚から事前にリサーチしていた北京の伝統的な軽食を食べながら、出し物を見る。なるほど、確かにここにくれば春節の雰囲気が味わえる。カーニバルのようだ。アジアのラテン、賑やかで華やかな中華の文化を感じる。

日本では大晦日の夜、中国の春節晩会に当たる紅白歌合戦が終わると、NHKはゴーン、ゴーンと各地の有名寺院の除夜の鐘の音を流し、静かなナレーションで年を越す。行く年を懐かしみ、来る年の決意を語り合い、年越しそばをすすりながら、お年玉をもらい、家族と静かにすごす。

日本人の文化はグローバルスタンダードではないが、特別な美しさがそこにはある。おそらく、世界では年越しはカーニバルのようにすごす人のほうが圧倒的に多いだろう。しみじみと中国と日本の文化の違いを実感する経験となった。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月14日

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