世界囲碁ランキングの玉座を2年間守り続けた中国の柯潔九段は、世界2位にランクを落とした。レーティングサイトの最新のランキングによると、柯氏を抜いたのは囲碁プログラムの「AlphaGo」だ。
人工知能が「人類の知恵の優位性を示す最後の砦」と呼ばれる囲碁で棋士を抜き、世界一になるのは史上初。柯九段は最近の対局で2連敗しており、AlphaGoが3612ポイントで世界一に浮上した。
今年3月に韓国のイ・セドル九段から勝利を収めたAlphaGoは、今や誰もが知る有名なプログラムになった。人々はこれを、実際に存在する「人」として見ているようだ。しかしこれを世界囲碁ランキングにランクインさせることについては異議もある。フランスの「Crazy Stone」、日本の「Zen」などの有名なプログラムも多くのトップクラスの棋士と対局したことがあるが、ランクインしていない。
IBMのスパコン「ディープ・ブルー」は1997年、チェス王者のカスパロフ氏に勝利したが、ハードによる加速や高い計算能力といったコンピュータの特長を活用した。一方でAlphaGoは神経ネットワーク、ディープラーニング、モンテカルロ木探索などの人工知能新技術を採用した。対局中にはネットワークを使い、資料を集めることができる。これは人の棋士に対する「圧倒的な優位性」だ。
ディープラーニングできるAlphaGoは、世界のさまざまな対局を把握している。さらにAlphaGoは近年、自分で自分と3000万局以上も対戦している。人類の知能を圧倒するさまざまな手を模索し、驚くべきペースで実力を上げている。イ九段に勝利後も、AlphaGoは学習を続けている。そのため時間が延びるほど、人の棋士の勝利が難しくなる。
AlphaGoが登場すると、「人とロボットはどちらが賢いか」「人工知能が将来的に人類を脅かすことはあるか」などが物議をかもし、さらには囲碁プログラムと人の対局に対する関心を上回るほどだった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月20日