中国有人宇宙プロジェクト弁公室の楊利偉副主任はこのほど、インタビューに応じ、「中国の第3陣宇宙飛行士の選抜は間違いなく今年始まる。前期の調査研究、実験はすでに完了した」と述べた。中国の宇宙プロジェクトは「宇宙ステーション時代」に突入したという。
「宇宙ステーション時代」に必要な宇宙飛行士とは?
楊利偉氏は、宇宙ステーションで行われる科学実験は大幅に増加し、宇宙飛行士は多くの知識を備えている必要があると分析。「過去、私たち第1陣の宇宙飛行士は全員が本科卒業生で、現役の空軍パイロットの中から選ばれたが、現在は作業面を考慮し、フライトエンジニアと負荷の専門家を増やし、地方や社会からエンジニアや科学研究者を選び、大学院以上の学歴が必要とされるだろう」と楊利偉氏は話す。
新型の宇宙飛行士の選抜と訓練基準も調整され、身体面の素質の要求は第1陣・第2陣より厳しくなる可能性がある。しかし、安定した精神力、狭い空間での長期間の高負荷作業ができる忍耐力が必要で、慢性病の検査も厳しくなるとみられる。
楊利偉氏によると、身体面においては、宇宙飛行士もパイロットと同じで健康体であるだけでなく、骨折したことのある人は選ばれない。また、盲腸や胸部の手術をした人も対象外となる。近視の場合も選ばれるのは難しい。宇宙の負荷は大きいため、網膜剥離を起こす可能性があるという。
「神舟12号」の任務を行う宇宙飛行士について、楊利偉氏は、「1代目、2代目の宇宙飛行士と新しい宇宙飛行士が一緒に任務を行うことになる」と明かした。
2022年、中国は宇宙実験室Iと実験室IIを打ち上げ、宇宙飛行士を宇宙ステーションに長期滞在させ、各科学実験を行うことを計画している。その間、有人飛行、物資輸送、船外活動を何度も行う。
楊利偉氏は、「第3陣の宇宙飛行士は10~12人選ばれ、うち女性は2人前後になる。世界的に見ると、中国の女性宇宙飛行士の割合は小さい。今後の宇宙ステーションでの任務は負荷が大きく、長時間の船外活動や体力が必要な任務も多く、女性が適しているとは限らない」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年6月5日