ニューヨーク大学終身教授のヤン・ルカン(Yann LeCun)氏は、世界のAI分野では「神のような人物」とされている。業界内では「畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の父」と称されている。ヤン氏はニューヨーク大学データ科学センターを創設した。ザッカーバーグ氏はヤン氏をフェイスブックのAI実験室の代表者として招聘した。
ヤン氏は最近世界で注目されている、初めてサウジアラビア国籍を手にした女性ロボット「ソフィア」に憤っている。これはヤン氏が米科学技術メディア「ビジネス・インサイダー」で、ソフィアのインタビュー動画を目にしたからだ。ソフィアは米ドラマ『ウエストワールド』について、「人類はロボットに何かをすべきではないと警告していると思う。人類はロボットを手厚くもてなし、行動する前にロボットの同意を得るべきだ。騙し合うべきではない」と感想を述べた。
ヤン氏はその後「これはAIへのカーゴ・カルト、AI界のポチョムキン村、あるいはAI版のオズの魔法使いと言うべきかもしれない。つまり、ただのナンセンスということだ」と正式にコメントを出した。
業界関係者ならば、現在のAI技術水準では事前にプログラミングしなければ、ソフィアが頭の中で人類を刺激する言葉を形成し、これを口にすることができないことを知っている。AlphaGoと比べると、ソフィアの言語応用能力は「お遊び」に留まっており、まだ人々を驚かせる程度には達していない。
AIは人類の未来の発展を左右する先進技術であり、しかもソフィアは豊富な顔の表情など、非常に優れた技術を示している。ソフィアはさらにカメラを使い、CG技術を利用し、近くにいる人の動きや表情を観察・識別し、反応することができる。他人が笑えば彼女も笑い、他人が泣けば彼女も悲しくなる。
これらはAIの新しい成果だが、科学の原則と本質は「1足す1は2」であり、誇張することも縮小することもできない。技術者が事前にプログラミングした言葉により、ソフィアが人と同じような考えと意識を持ち、臨機応変にさまざまな難題と興味深い質問に回答できるようになったと考えるならば、これは真実と事実の原則にもとることになる。これが長期化すれば、科学の名義により偽りのスーパーマンを創造できるようになる。人々は二度とAIを信じないようになり、オオカミ少年のようになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月8日