シンガポールの公共バスカードからアラブ首長国連邦のプライベートバンク、チリのチェーンスーパー、イギリスのシェア自転車に至るまで、アリクラウド、テンセントクラウド、ファーウェイクラウドをはじめとする中国のクラウドコンピューティング企業が近年、海外進出を加速化し、「中国クラウド」が世界でデジタルサービスを提供している。「中国クラウド」の海外進出は中国のデジタル経済の急成長、中国の経済成長の新たな原動力を観察する扉が開かれたことを意味する。
「クラウド」はデジタル経済時代のインフラである。「中国クラウド」の海外進出はデータと情報をリンクさせ、クラウドプラットフォームが企業の発展を支えるという点に大きな価値がある。現実において、「中国クラウド」は二役を演じ、中国企業の海外進出だけでなく、海外企業の中国進出もサポートし、デジタル経済の時空を縮める力がある。過去10年で、ベンチャー企業の設立はクラウドコンピューティングのおかげで簡単になった。大疆科技や字節跳動などの海外事業拡張、中国のインターネット経済モデルの海外進出は、「中国クラウド」の世界展開と密接に関わっている。
単純な携帯電話や家電などの実物の販売と異なり、クラウドコンピューティングはデータの統合と安全に関わり、海外進出において複雑な試練に直面する。数万台のサーバーを管理するには大規模な運営維持能力だけでなく、グローバル化の運営能力も必要になる。世界各国の国情と文化に合わせるには、「グローバル化」の構造だけでなく、「現地化」の視点も必要である。実は、これらの試練を克服しグロバール展開する上で最も重要なことは、信頼を獲得し、「中国クラウド」で現地の創造価値を発展させることである。
「中国クラウド」の国際市場開拓においても国内市場発展においても、そのコア競争力は自主イノベーションの堅持で、クラウドコンピューティングやビッグデータを通して高効率のデジタルサービスを提供し続け、取引コストを下げ、経済効率を上げ、経済成長に新たな原動力を注ぐことにある。過去を振り返ると、中国のビッグデータとクラウドコンピューティングの普及はモバイル通信と携帯電話アプリに後押しされた。今後5~10年で中国のビッグデータとクラウドコンピューティングはIoTと人工知能(AI)の発展と合わさり、消費部分から生産・供給部分に変わり、「工業大脳」「農業大脳」「都市大脳」などのデジタルサービスの生産効率、供給の質を向上させ、中国製造から中国スマート製造、要因駆動型からイノベーション駆動型への移行を推し進める。
私たちはインターネット技術発展と新産業革命の歴史的時期にいる。歴史的時期のチャンスを掴むには、デジタル経済の発展動向に対応し、未来の発展に合った思考とモデルの一変がなければいけない。この視点から、「中国クラウド」の発展はイノベーションにより中国経済のモデル転換・グレードアップを後押しし、中国が今後の風向きとチャンスを掴めるようサポートすると言える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年12月9日