複数の海外メディアはこのほど、中米露などの共同チームが緊密に協力し、昨年10月から12月にかけアフリカのナイジェリアから高濃縮ウランを運び出し、テロリストが危険な核燃料を奪うリスクを解消したと伝えた。ロシアメディアは「ナイジェリアの行動の詳細内容は、大作映画の脚本のベースになる。実際のシーンは映画のように興味深くスリリングだっただろう」と評価した。
「わずか24時間」
昨年10月22日(当初より2日延期)になり、米国の外交官はナイジェリアの関係者と共にカドゥナの夜間外出禁止令を解除され、行動に向け準備を整えた。ただし安全面を検討し、通常ならば数日かかる行動を24時間で完了しなければならなかった。
10月23日午前1時30分、ロシアのAn-124輸送機がナイジェリアに着陸した。機内には核燃料撤去・搬送を担当する専門家チームが乗り込み、専用容器「TUK-145/C」が搭載されていた。これは重さ30トンの核燃料保存・輸送ケースで、その表面を見ると巨大な銀色の円柱のようだ。輸送機に事故があった場合も、貨物の安全を保障できる。安全試験の一環として、このケースは燃料プール内で着火されたことがある。60分の燃焼により、中の貨物の保存状態が確認された。
▲これがTUK-145/C
未明より、機内の設備を下ろすのに数時間、さらに空港から研究炉に移すのにも数時間かかった。作業チームは午前9時頃に研究炉に到着した。彼らを保護するため、ナイジェリア軍は精鋭部隊、陸軍第一師団を派遣した。
濃縮ウランの撤去は厄介だ。研究炉の燃料棒は地下6メートルのプールの底にあった。技術者はプールの上で作業台を作り、燃料棒から上方の中心に「仮搬送桶」と呼ばれる容器を置く。この容器にはアームがあり、これを研究炉内に伸ばし燃料棒を取ることができる。燃料棒を容器に入れると、技術者はその包装を行い、それからTUK-145/C容器内に密封する。