咀嚼された古代の「ガム」であるバーチタールのサンプルから、科学者が5700年前の「ローラ」という名前の古人類の遺伝子を取得した。バーチタールに含まれる植物、動物、微生物のDNAを分析したところ、「ローラ」の口腔内微生物と可能な飲食源が明らかになった。この遺伝学研究の成果は17日付のイギリス学術誌『ネイチャー コミュニケーションズ』に掲載される。
バーチタールはカバノキの皮を加熱して作られ、中期更新世(約76万~12万6000年前)から接着剤として使用されてきた。考古遺跡からバーチタールのかけらが見つかり、歯型がついていたことから、咀嚼された「ガム」だと判断された。
今回、デンマークのコペンハーゲン大学の考古学者ハネス・シュオーダ氏とその同僚は、バーチタールのサンプルに含まれる人類のDNAシークエンシングを行い、女性であることを特定し、「ローラ」と名付けた。研究者は複数の遺伝子の遺伝変異をもとに、「ローラ」がダークカラーの髪、暗い色の肌、青い目である可能性があると発見した。
研究者は、彼女はスカンジナビア中部の狩猟者より、欧州大陸の狩猟者と近い関係にあると見ている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年12月18日