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japanese.china.org.cn |30. 07. 2020

美しい中国・雲南省保山市

タグ: 雲南省保山市

雲南の歴史たたえる村々 不屈の魂で麗しき山河に


賈秋雅=文


曲揚=写真


町と道が物語る歴史


 保山市隆陽区の古い板橋鎮(県に属する行政単位)と金鶏鎮は、南のシルクロードにおける物資の集散地だった。馬が首に付けた鈴をカランカランと音を立てて進んだ隊商は、遠い歴史に消え去った。しかし、古色蒼然とした商店は変わらず通りに軒を連ねる。町のそこかしこに、時間が止まってたたずんでいる。


にぎわう板橋鎮の市(写真提供・保山市党委員会宣伝部)


 

1杯たった2元の老舗茶館


 唐代に作られた「茶馬古道」と同様、隊商は南のシルクロードでも重要な輸送手段だった。馬の背に茶葉や絹織物などを載せた隊商が、西南の辺境を往来し、途中の村々は宿場町として栄えた。板橋鎮はそんな町の一つだ。


 通り沿いにある一軒の古い茶館に腰を下ろし、1杯2元の茶をすする――ご近所さんたちにとっては、普段の過ごし方だ。お茶代だけで、ひと月の収入は600~700元。わずかなものだが、茶館の女主人・万文鳳さん(62)はそれでも十分楽しい。今では、この茶館は隆陽区の無形文化遺産となっていて、その評判を聞いて遠くからやって来る客も少なくない。「1杯10元でも高くないと言う人もいるけど、ご近所さんが来なくなるかもしれないし」とはにかむ万文鳳さん。値段はずっと2元に据え置いたまま。顔なじみたちが毎日やって来ては、気軽におしゃべりを楽しんでほしい――そう願っている。古ぼけた店内に陽の光が差し、温かな茶が心を温めてくれた。


 

金鶏鎮の「小袋豆腐」


 板橋鎮から東に車で約10分。金鶏古鎮にある食堂「小袋豆腐園」にやって来た。この地方の名物・小袋豆腐は、はしでつまみ上げると小さな袋に似ていることから名付けられた。味も形も日本の「がんもどき」に似ている。食べ方はスープ入り肉まんと同じ。まず外側の黄色い薄皮を少しかみ切り、小さな穴を開ける。そして熱さに気を付けながら、ゆっくりと中のミルクのような豆腐スープをすする。口当たりは、若者が好きなアイスクリームの天ぷらといったところか。


 「この豆腐は他のところでは作れないよ」。保山市の無形文化財継承者で、豆腐店のオーナーの高文金さん(58)は胸を張る。「この辺りの水はアルカリ分が強いので、フワフワの豆腐ができるんです。中のスープは後で入れるのではなく、自然にそうなるんですよ」

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