日常生活では、空腹状態でないとできないことがある。たとえば、翌日の健康診断で採血検査を受ける場合は、前日の夜からお腹の中を空っぽにした状態にしておかないといけない。また、空腹時に避けなければならない行動についても、これまでに耳にしたことがあるかもしれない。例えば、空腹時に柿やバナナなどを食べてはいけないといった説だ。これらの食べ物を空腹時に食べてはいけないというのは、果たして本当なのだろうか?そして、どれくらいの時間食べ物を摂取しなければ、空腹と言えるのだろう?科普中国が伝えた。
どれくらいの時間食べ物を摂取しなければ「空腹」?
私たちの腹部には複数の臓器があるが、「空腹」とは通常、胃の状態について言う。個人差はあるが、成人の胃の容量は1000-2000ミリリットル。健康な人の空腹時の胃の容量は約50ミリリットルしかないが、食事をすると1500-2000ミリリットルまで大きくなる。また、食事をしたあと、食べ物が胃に到達して胃から出ていくまでの時間は、最も速くてわずか5分ほどと言われている。
一般的に、私たちが普段摂取するさまざまなもの混在したタイプの食べ物は、胃の中に入って完全に空っぽになるまでに大体4時間から6時間かかる。だが、食べる物の種類の違いや個人差により、胃が完全に空っぽになるまでに十数時間かかる人もいる。
中国の衛生業界静脈血液サンプル採取マニュアルでは、空腹状態について、「食べ物を摂取しない状態が最低8時間続いていること、できれば12時間-14時間が望ましい」と定められている。
空腹状態でない時にやってはならないこととは?
通常、医学的検査の前には空腹にしておかなければならない。
まず、血糖・血中脂質・肝機能などの状態を調べるために採血する場合は、空腹でなければならない。また、胃カメラ・腸カメラ・超音波スキャンなど、一部の消化器内視鏡検査や腹部の超音波検査を受ける時にも、空腹が条件となる。
さらに、空腹時に服用しなければならない薬もある。これは主に、薬の吸収とバイオアベイラビリティ (BA:生物学的利用能)に対して食べ物が及ぼす影響を避けるためだ。薬によっては胃酸による影響を受けることもある。
空腹時NGの食べ物、その根拠は?
1、牛乳
誰もが空腹時に牛乳を飲んではいけない、という訳ではない。乳糖不耐症の人だけが、空腹時に牛乳を飲むと吐き気・嘔吐・下痢など身体の不調を引き起こす恐れがある。このほか、乳タンパク過敏症の人は、空腹である・なしに関わらず、どんな状況においても牛乳および乳製品の摂取を避けなければならない。
2、柿
柿を空腹時に食べられるかどうかを気にしている人は、柿に含まれるタンニン酸(渋みのもと)による影響、たとえば結石を引き起こすリスクなどを心配している。
実のところ、市場で売られている柿は、消費者を引き付けるために、通常、お湯や炭酸ガスなどで脱渋処理をしている。
さらに、中国には約1058品種の柿があり、品種によってタンニン酸の含有量がかなり異なる。熟した柿のタンニン酸含有量はかなり低い。私たちが実際に購入する柿のほとんどは熟した柿であり、タンニン酸含有量は高くないため、一度に大量に食べないように気をつければ大丈夫だ。
3、バナナ
バナナにはカリウムとマグネシウムが豊富に含まれている。だが、それらが私たちの体内に入って栄養素として吸収される時に、全てがすぐに吸収されるわけではない。
また、吸収量にも限りがある上、人体の自己コントロール機能が働くことから、腎臓疾患など特別な疾患がない限り、空腹時に適量のバナナを食べてもほぼ問題はない。(編集KM)
「人民網日本語版」2020年8月14日