湖南省に本部をもつ湘潭大学と国家天文台の科学研究者はこのほど、中国の「郭守敬望遠鏡(LAMOST)」のスペクトルデータと欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡「ガイア(Gaia)」観測データ(測光・視差)を組み合わせ、222個の高温準矮星(極水平分枝星)を発見しました。うち、131個は複合スペクトル型の高温準矮星です。この成果は国際的な学術誌「アストロフィジカルジャーナル」に掲載されました。
高温準矮星は非常に特殊な小質量星の一種です。その質量は太陽の約半分程度で、表面温度は太陽表面の4倍に達することもあります。このような小質量星の多くは、中心部でヘリウムの核融合が行われている最中であり、小質量星の形成と進化や恒星内部での元素の拡散過程など、天体物理学の最前線の問題を解明する上で重要な意義があります。
現在までに知られている高温準矮星は6000個ほどで、うち3000個以上に大気パラメータがみられます。しかし、これらの既知の高温準矮星の大多数は単一スペクトル型です。複合スペクトルにより同定された高温準矮星は非常に少なく、高温準矮星の形成を研究し、連星の進化過程を知る上で、非常に重要な存在です。
この発見は高温準矮星の形成モデルに新たな可能性を示すものであり、高温準矮星の形成問題の解決に重要な科学的意義があるとみられています。
「中国国際放送局日本語版」2023年2月12日