消費の安定増の促進と新型消費の育成・発展を背景とし、1995年から2009年の間に生まれた「Z世代」の消費の需要や、その特徴、観念などが注目されている。
個性と趣味を重視
若者はどれほどブラインドボックスに夢中なのだろうか。週末、北京市朝陽区にある合生匯泡泡瑪特直営店で、多くの若い消費者が手に袋を持っていた。その中には少なくとも2個か3個あり、多い場合はフルセットで購入されていた。多くの人気商品が売り切れとなっていた。
売り場の各所に見られるブラインドボックスの自動販売機の近くに多くの若者が集まり、新発売のシリーズについて話し合っていた。1998年生まれの許欣さんは、「ブラインドボックスを100個以上購入した。好きな作品とコラボしていればそのブラインドボックスを購入する。シリーズのすべてが可愛らしければ全部購入する」
Z世代は旺盛な消費力と購入の意欲を持つ。ブラインドボックスの射幸性は、その新鮮さと刺激を求める心理的な需要を満たす。彼らはSNSでブラインドボックスの戦果と独特な個性をシェアする。ブラインドボックスの消費は、若者の間で共通の話題になっている。
消費の習慣や、その方法、観念は世代によって異なる。Z世代はネット社会で生まれ育った。国家統計局の2018年のデータによると、中国大陸部の1995−2009年生まれの人口は約2億6000万人。各方面のビッグデータの予測によると、Z世代が総人口に占める割合は20%未満だが、消費規模への寄与度は40%にのぼる。今後10年でZ世代の73%が新社会人になる。Z世代全体の消費規模は2035年までに4倍増加し16兆元にのぼる。これは未来の消費市場成長における中心的な要素と言える。
中国人民大学商学院准教授、博士課程指導員の丁瑛氏は、「Z世代の消費者はSNSと自尊心の需要を重視し、個性的な消費と体験型の消費に特に注目する。Z世代は文化をより受け入れやすく、多元的な文化の属性を提唱する。Z世代はインターネットのさまざまなグループに熱中し、そのグループにおける二次元、ゲーム、ブラインドボックスなどの消費により承認欲求を満たす」と分析した。
また関連報告書で発表された調査研究データによると、回答者の53.4%が「国潮風」を好み、近年多くの製品が中国風の元素をデザインに取り込み、伝統文化の普及を後押ししていると見ている。国潮文化を好む人のうち84.9%が中国風と国潮風の服飾品を好む。また75.1%のユーザーは、国風のファッションに夢中な理由を、伝統文化を認めそれを誇りに思っていることとした。
今やZ世代は文化の強い自信を持ち、国潮ブランドを熱心に支持し、中国伝統文化の元素を取り込む製品を特に好む。漢服を着用し、国潮美食を味わい、国潮電子製品を使用するなど、若い消費者は国潮文化への好みと承認を示している。統計によると、国潮消費内容のうち、故宮、敦煌、三星堆、山海経、十二支などの元素を取り込んだ製品が若者から好評を博している。