華龍洞遺跡学術シンポジウム2024が今月6−8日、遺跡所在地である安徽省池州市東至県で開催された。中国と海外の古人類学研究及び関連分野の100人弱の専門家・学者が集まった。専門家らは華龍洞遺跡の調査と検討を経て、約30万年前の華龍洞人が東アジアで最も早くホモ・サピエンス(現代人)に進化した人類であるとした。
華龍洞遺跡発掘研究チームのリーダーで、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の研究員である呉秀傑氏は8日のシンポジウムで、この重要な研究成果と今年の華龍洞遺跡発掘の進展を発表した。それによると、華龍洞遺跡の今年の発掘で11点(うち1点は保存状態が良好な中足骨)の古人類化石と、40点以上の石器、大量の哺乳類の化石、3種の爬虫類の化石が出土した。
呉氏は、「華龍洞人は古代人から現代人に過渡した古人類に属し、その顔と下顎はすでに現代人に進化し始めていた。顔は彫りが浅く、目の周りがやや高く、頭骨が細く、現代人を象徴する特徴の下顎の原型が生じていた。最新の研究によると、華龍洞人は現在までで東アジアでホモ・サピエンスの特徴が最も多く見られ、年代が最も古い、古代人からホモ・サピエンスに過渡した古人類だ」と述べた。
中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の劉武研究員によると、華龍洞遺跡は1988年末に発見された。同位体年代測定、動物群構成分析、地層対比などの各種方法の総合研究により、華龍洞古人類の生存時間が今から約30万年前と特定された。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年12月9日