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宇樹ロボットが世界最速のボルトを抜こうとする理由は? 専門家が解説

中国網日本語版  |  2026-04-13

宇樹ロボットが世界最速のボルトを抜こうとする理由は? 専門家が解説。

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発信時間:2026-04-13 15:03:19 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

宇樹科技(Unitree)は11日、人型ロボットH1の100メートル走テストの最新成果を発表した。最高速度は秒速10メートルに達し、世界の人型ロボット100メートル走の記録を更新した。同ロボットの脚の長さは0.8メートル、体重は約62キログラム。人間の100メートル走世界記録保持者であるウサイン・ボルトの平均秒速10.44メートルの水準に近づいている。

宇樹科技の創業者である王興興氏は3月の亜布力(ヤブリ)フォーラムで、今年半ばには中国のロボットが100メートル走のスピードで人間を上回り、ボルトに肩を並べる可能性があるとの大胆な予測を示した。

「解放日報」の記者は「スピード競争」の技術的ロジック、市場展開、産業の将来性について、ロボット専門家である上海大学国家級工程訓練センター長の郭帥教授を取材した。

郭氏の見解では、宇樹科技が人型ロボットの速度を極限まで高めようと躍起になっているが、単にデータの話題性が欲しいというだけではなく、それが業界で認められている技術検証の手段だからだ。

高速走行は人型ロボットの総合性能を検証する試金石だ。秒速10メートルという極限状況は、動的平衡制御、関節トルク出力、モーターパワー密度、熱管理およびエネルギー効率に厳しい要求を課し、ロボットの「エンボディド小脳」能力にとって直接的な試練となる。今回の宇樹H1人型ロボットの突破は本質的に、極限状況を通じて基盤技術の成熟を後押しし、運動制御、安定性、放熱および航続力を実用的かつ信頼性の高い水準にするものだ。これらの極限条件下で磨き上げられた技術は下方互換性を持ち、ロボットの日常的なタスクにおける安定性と信頼性を高める。これはロボットが家事や物流配送などの実際の応用シーンに進出するために必要不可欠な技術基盤だ。

極限運動能力の突破の価値は、最終的に実際の応用シーンに落とし込まれることで発揮される。

郭氏は、人型ロボットは現段階では、産業分野で明確な優位性を持っていないと考えている。工場などの構造化環境においては、ロボットアーム、AGV(自動誘導車)などの成熟した産業用ロボットは、速度、精度、負荷、コストおよび信頼性において高度な工業化を実現しており、短期的には代替されにくい。

それに対し、第三次産業こそが人型ロボットの重要な潜在市場だ。サービス業のシーンは構造化されず、環境が複雑かつ任務が多様で、人間とのインタラクションに求められる水準もより高い。人型ロボットは人間に似た形態と二足歩行の機動性により、介護、看護、介助、小売、案内などのシーンで先天的な優位性を持っている。

郭氏は、人型ロボットが実際のシーンに進出するためには、まず「安定して歩き、速く走り、転ばない」という問題を解決しなければならないと強調した。機動性と平衡能力は、ロボットが人間の生活や仕事の環境に入るための重要な「入場券」だ。

今回の「ボルトとのスピード競争」を新たな出発点として、人型ロボットはどの方向に進んでいくのだろうか。

郭氏は、業界は自律性、信頼性、機動性の3つの方向に沿って加速度的に進化していくと判断している。1つ目は自律性の向上で、リモコン操作から全自動ナビゲーション、計画および障害物回避へ移行し、複雑な環境で単独で任務を完了できるようになる。2つ目は信頼性の突破で、デモンストレーション的な動作から全天候型、高安定性の運転へ移行し、転倒や故障のリスクを大幅に低減し、商業用の安全基準を満たす。3つ目は機動性の強化で、高速走行と動的平衡を基盤として、宅配、緊急救助、特殊作業などのシーンへと展開する。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年4月13日

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