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「空中の三峡」、風力発電開発プラン
発信時間: 2008-03-31 | チャイナネット

中国北西部の新疆、甘粛、寧夏、特に内蒙古は大きな風力地帯で、豊富な風力資源に恵まれている。さらに、江西省鄱陽湖の湖口、新疆の達坂城なども風の通り道である。渤海•黄海から台湾海峡にいたる長い海岸線にも、豊富な風力資源がある。専門家によると風力発電開発には3つの難点がある。一つ目は、エネルギーの密度が低いことだ。風力発電は風の動きによって得られるエネルギーで、その密度は水力の800分の1にも満たない。二つ目は、その不安定性だ。気流の変化によって、年ごとに、季節ごとに、日ごとに、時間ごとに、発電量は大きく変わる。三つ目は、地域差が大きいことだ。地形がもたらす風力の差は数倍から数十倍にもなる。内蒙古中部察右中旗境内にある建設中の輝騰錫勒風力発電所は、世界レベルの大型風力発電所で、近いうちに容量20万キロワットの設備、将来的には容量120キロワットの設備を据え付ける予定である。この発電所は、主に北京•天津などの華北地区に送電する予定である。現在、北方電力など4つの電力会社がここで風力発電の開発を行い、新たな工事がハイスピードで進められている。2010年以降には、新疆の達坂城を抜き、中国最大の風力発電所になる見込みである。現在、内蒙古には朱日和、商都、錫林、達里、輝騰錫勒など5カ所の風力発電所が建てられており、中国の風力発電所がもっとも多い自治区である。自治区には137台の風力発電機があり、設備の総容量は5万8000キロワットで、全国の26.6%を占めている。内蒙古の風力発電の開発•利用は、自治区の従来のエネルギー構造と大気環境の改善に有効であるほか、北京•天津•唐山地区に大量のクリーンエネルギーを送ることができる。2008年北京オリンピックが近づくにつれ、北京に最も近い風力発電所がある内蒙古は、「緑のオリンピック」の達成により大きな役割を果たすだろう。



内蒙古の輝騰錫勒風力発電所のコントロールセンターの回路見取り図

長年の実践を積んだ中国では、すでに風力発電の設計•建設•運行•管理に従事する専門人材を育成しており、大型風力発電機に必要な製造技術に習熟し、おもな部品は自国で製造できるようになった。ここ3年、中国の風力発電設備の総容量は、それぞれ16.4%、21.1%、34.7%というスピードで増加している。

中国の風力発電に関するレポートによると、充分な開発が行われた後には、中国では2020年に容量4000万キロワットの設備が据え付けられ、風力発電は原子力発電による発電量を超え、三番目の主要エネルギー源になるとのことである。この目標が実現すれば、中国の年間風力発電量は800億キロワットに達し、8000万人に電力を供給することができる。それと同時に、毎年4800万トンの二酸化炭素排出を減少させることができる。

「人民画報」より2008年3月31日

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