消費電力が従来の5分の1ほどで、水を冷却材としたコンプレッサーを使わないセントラル空調システムがこのほど、河北省科技庁の専門家チームの審査を通過した。専門家によると、従来のセントラル空調に比べ、省エネ・節水効果が抜群で、室内の空気を新鮮に保ち、「エアコン病」や有害ウイルスが発生しないという利点がある。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
長年使用されてきたセントラル空調は消費電力が高く、温室効果ガスを排出する環境に負担のかかるものだった。このため、河北省の廊坊宏田制冷設備有限公司の研究スタッフは長い間、直流蒸発式セントラル空調システムの研究に取り組み、このほどついに開発に成功した。自主知的財産権を有するこの空調システムは水の蒸発吸熱原理に基づき、二つの直接蒸発冷却モジュールを通じて戸外の空気を冷却して室内に送り、室内の余熱を吸収してファンで外に排出するという自然の原理をうまく利用した新しい通風冷却システムだ。
工程院の院士(アカデミー会員)・王浚氏をはじめ、9人の専門家は「このシステム本体にクロロフルオロカーボン(CFC)を用いておらず、水を冷却材とするため、温室効果ガスなどの汚染物質が発生しない。中国の空調製造で広く使用されているCFCやハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)などの冷却材は今後、数十年前倒しで淘汰するだろう。これにより、温室効果ガスの排出量削減目標をいち早く達成することができる」と指摘する。
「人民網日本語版」2008年4月23日 |