中国国家林業局野生動植物保護司の厳旬・総技師はこのほど、パンダ主要生息地域にすむ1400頭余りのパンダが、四川大地震による山崩れや広範囲にわたる森林被害の影響を受け、生息地の破壊、食糧源・水源の悪化、「生殖孤島」という3つの脅威にさらされていることを明らかにした。
中国の野生パンダは、地震で大きな被害を受けた岷山全域・キョウライ山北部・秦嶺南部を主な生息地としており、これらの地域には野生パンダ全体の88%を占める1400頭余りがすんでいる。四川大地震でパンダ保護区49カ所が被害を受け、約5万3千ヘクタールの生息地では被害が深刻となった。震源地ブン川県から250キロの甘粛省白水江自然保護区も大きなダメージを受け、保護区内にすんでいた102頭のパンダの安否はわからないままだ。
厳総技師によると、野生パンダたちは地震によって3つの脅威にさらされている。まず、地震による山崩れや森林被害によって、パンダのすみかとなっていた洞窟が破損・倒壊し、生息地の環境が大きく損なわれたこと。次に、パンダが食糧としているヤダケが埋まったり折れたりし、保護区内の水源も汚染され、パンダの健康を脅かしていること。最後に、広範囲で発生した山崩れが、パンダの移動を阻害し、交尾の相手が見つからない「生殖孤島」を作り出していること。絶滅の恐れのあるパンダの生態環境は地震でさらに厳しいものとなっている。
「人民網日本語版」2008年6月22日
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