水利部黄河水利委員会によると、黄河河口デルタの生態系は明らかな回復と改善が見られるという。「中国海洋公告」にも、黄河河口デルタの生態環境が2006年の不健康な状態から、現在の半健康状態に回復したと記されている。
黄河は全国の2%の水資源だが、全国の15%の耕地灌漑と12%の人口に水を供給し、黄河流域の経済社会が発展するにつれて、水資源の需要と供給の矛盾が日増しに深刻になっている。そして沿岸の人々の生活や工農業生産に大きな危害をもたらしているだけでなく、黄河の生態系も大いに破壊されている。河口デルタの湿地面積は縮小し、塩害土壌も深刻になり、植生面積も減少して、魚類は40%、鳥類は30%減少した。
黄河水利委員会は1999年から国務院の批准を経て、黄河の流水量を統一的にコントロールし、9年連続で流れを滞らせることなく給水を保障した。それによって日増しに悪化しつつあった生態系が回復した。今年、黄河水利委員会は、水量と砂量の調節を実施する間、初めて河口デルタの生態系を保護するための水量調節を行い、河口デルタ湿地の淡水補給をさらに強化した。
黄河水利委員会水量調節局の安新代局長は、淡水補給の増加により、河口デルタの生態系が明らかに回復し改善したと話す。現在、河口デルタでは、4238ヘクタールの湿地が回復し、植生も年を追って多くなり、アシの面積は5万2000ヘクタールになった。
また保護区内の野生動植物は407種類に達し、国の14種の希有な樹木が黄河河口に植えられ、1980年代にいなくなっていた魚類も再び姿を現すようになった。そして国家クラス保護区の鳥類も、1990年代の187種類から現在の283種類に増加し、459種類の希有の野生動物が見つかっている。
「チャイナネット」2008/07/22 |