中国の新聞『新京報』は24日、河南省駐馬店にある南海動物園が経営困難に陥っていることを報じた。この動物園を運営するために、毎日3000元以上かかるが、1日7名の入場者しかいないときもあり、入場料による収入では、子トラ1頭の1日分の食事代にもない。そのため、動物園の経営者はやむを得ず借金を繰り返すことで、かろうじて経営を続けている状態である。
実は、南海動物園の情況は、中国にあるほとんどの民間動物園の縮図である。ここ数年間、民間動物園の建設が無制限に進められ、過当競争が行われる結果となっている。このため、動物園にいる動物は餌も満足に与えられず、貴重な野生動物が死んでしまうことも起きている。
改革開放の当初、中国では動物園が少なく、しかも北京や上海などの大都市にしかなかった。民間動物園が開業してから、人々の余暇を充実させ、動物に関する知識や環境意識の向上に役立った。また、絶滅の危機に瀕している野生動物の保護、繁殖の場となった。
しかしここ数年、民間動物園の建設が相次ぎ、設備も整っているとは言いがたく、動物たちの生活環境が日々悪化しつつあり、動物を保護する目的から完全に逸脱している。これに対し専門家は、民間動物園に対する管理を強化し、新たに動物園を開業するときの審査を厳しくし、過当競争を防ぐよう政府に呼びかけている。
統計によると、いま、中国には200ヶ所以上の動物園がある。そのうち、上海、北京などの大型動物園しか政府から資金援助を受けられない状況である。
「中国国際放送局 日本語部」より2008年11月25日 |