2006年12月1日、山東省菏沢市単県で、中国初の国家クラスバイオマス発電モデルプロジェクトとして、設備容量2万5000キロワットの発電ユニットが稼動した。燃料には主に破砕した綿のくずわらを用い、樹木の枝、葉のついた桑の枝、果実収穫後の剪定枝などと混焼させることで、農林業廃棄物を年間15~20万トン活用し、約1億6000万キロワット時を発電することができる。燃料となるくずわらの買い付けだけでも、現地農民の収入を4000万元増加させ、1000人分の農村の労働力を吸収する直接的な効果をもたらした。
設備容量2万5000キロワットの発電ユニットは、同タイプの火力発電ユニットに比べ二酸化炭素排出量を年間約10万トン削減することができる。燃焼後に発生する燃焼灰は年間8000トン前後に達するが、高品質なカリ肥料として稲作で再利用できるので、その環境保全効果および利益は際立っている。くずわらは農民が生活用エネルギー源として利用する場合、燃焼効率はわずか15%程度であるが、バイオマス直接発電方式ボイラーの使用により熱効率を90%以上に高めることができる。
同プロジェクトのスタートは、農民の収入増加、自然環境の改善、中国国内におけるバイオマスエネルギーの直接燃焼発電技術応用の加速的な推進、および中国のエネルギー安全保障に対し重要な意義を有する。試算によると、中国が開発できるバイオマスエネルギーの総量は標準炭換算で10億トンに達するという。
「チャイナネット」2009年12月2日