1986年に建設された山東省栄成市の馬蘭風力発電所は、中国で初めて風力発電ユニットを輸入し、商業化モデル事業を実施したことから、中国風力エネルギー開発の歴史において画期的な意義を有する。
1970年代に第2次オイルショックが起こり、世界各国でエネルギー源として広く利用される石油の不足が深刻化した。また、70年代後半、中国では改革開放政策がスタートし、国民経済は急速な発展段階に入った。こうした2つの要素が重なったため、中国国内では電力不足が問題となり、経済発展を妨げる要因として一気に浮上した。
1984年、中国は電力、エネルギー、航空などの科学研究従事者20人を米国やデンマークなどの欧米諸国に派遣し、幅広い応用・生産技術分野の視察・調査に当たらせた。最終的に、デンマーク製V15-55/11kW風力発電機をモデルユニットに採用することを決定した。1985年10月に馬蘭風力発電所に風力発電機を導入し、1986年5月1日には全ての風力発電機が送電網接続の発電をスタートした。
2009年、馬蘭風力発電所は稼動スタートから23年を迎えた。現在、風力発電機1基は正常に運転しているが、ほかの2基は2006年と2008年にそれぞれ翼部分の故障から運転停止となっている。
「チャイナネット」2009年12月2日