「これは政府の人民に対する責務」
「昨年の洪水で、村民20人以上が一瞬にしてのみこまれ、非常に悲しい思いをした。陝南地区の移転問題を10年以内に徹底的に解決し、住民を安全で便利な環境の中で生活させる必要がある。これは政府の人民に対する責務だ」と、陝西省の趙正永省長は話す。
南洛市の楊冠軍市長は、6カ月かけて陝西南部の30以上の村を実地調査した。住民の多くが山奥で暮らしているため、1つの村を訪問するのに丸一日かかったという。調査研究でそんな状態なのだから、そこに住む人たちの苦労は考えればわかるだろう。
楊冠軍市長によると、1950年代初めから現在まで、陝西南部の3つの市では3年に1回の割合で特大規模の洪水や地質災害が発生している。「移転プロジェクトを開始してはじめて、貧困問題を解決できる」と楊冠軍市長は話す。
陝南地区と白于山区の「移民の移転配置総体計画」は今年2月に陝西省政府の承認を受け、正式に公布された。
両地域から240万人と39万2000人の住民を移転させる計画で、この数は三峡ダム建設時の139万7600人を大きく上回る。計画によると、2020年までに、3つの市の総人口の4分の1を占める240万人を移転させる。
住民らは都市への移転、新しい村への移転、小さい村を大きい村と合併させ移転、自主的な分散型移転の方式に基いて新しい住居の建設場所を選び、集中または分散して建設を進める。