▽中核技術の産業化を
約10年にわたる発展段階を経て、中国の衛星測位システムは端末設備の市場化に向けた環境がますます整い、大規模な利用者群が徐々に形成されて、産業の高度成長期に入った。だが一連の問題も存在しており、このことが産業の発展をかなりの程度制約しているといえる。
中国グローバル測位システム技術応用協会の楊東凱氏は「産業化という角度からみると、われわれと先進国とではまだ大きな開きがある。特に中核部品やブランド製品では、われわれはほぼ空白であり、すべてが海外の製品だ。衛星測位技術においても外国の後塵を拝しており、独自の知的財産権イノベーション技術を備えた技術は少ない。衛星測位システム製品の国産化率は低い」と話す。
それではこうした問題をどのように解決していけばよいだろうか。楊氏は「中核技術と中核部品の産業化をしっかり行おうとすれば、自主イノベーションの道を倦まずたゆまずに進み、中核技術のカベを打破して、独自の知的財産権を備えた受信機のチップやボードといったインフラ設備を発展させる必要がある。衛星測位システム製品の産業化における中核技術は、衛星測位で重要なチップたちであり、たとえば高周波電気信号のチップ、基底帯域のチップ、データ処理のチップなどだ。長期にわたり、中国は全地球測位システム(GPS)ナビゲーションのチップをすべて海外から購入していた。だが今後は多くの星座をベースとした受信機、特に中国の全地球航法衛星システム(GNSS)と兼用できる受信機のチップが海外から輸入できなくなるとみられ、兼用機のチップとOEMボードの研究開発および産業化が焦眉の急であり、国や関連業界は集中的にこの難関を突破しなければならない。中国は今、独自の知的財産権を備えた兼用受信機チップの生産を、中核技術の突破における最重要点に位置づけるべきだ」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2011年5月27日