北京週報記者・繆暁陽
南京大虐殺を一緒に取材した日本の友人は、こう私に話してくれた。「最初は、取材したときに痛烈な言葉を浴びせられるのではないかと心配していましたが、取材してみて、中国の研究者はみな事実にもとづいて語り、冷静な気持ちになって自らの考えを述べているのだなと感じました。記念館を参観したときのことですが、歴史の資料が数多く展示され、そのなかに当時の日本メディアの報道があるのを発見して、非常に説得力があるなと思いました。記念館では深みのある、厳かな鐘の音色を聞きましたが、それは歴史をしっかりと心に刻むよう私たちに訴えているのでしょう。それは同時に、平和を呼びかける鐘の音色なのだとも思いました。父の世代が残した『南京大虐殺』というこの負の遺産に真摯に向きあって、孫の世代には『平和を大切にする』という正の遺産を継がせていくことが大切だと思いました」
坂倉氏の南京大学講演の会場で、私は大学を卒業したばかりの日本の青年、小川氏と話しをすることができた。「生存者の夏淑琴さんの証言を聞いて、南京大虐殺が中国の庶民を苦しめたことがよく分かりました。いずれは法律関係の仕事に就いて、従軍慰安婦のために正義を広める活動にずっと参加していきたいと思っています」。そして彼は感慨深げにこう語った。「今日、南京大学が主催した坂倉氏の講演会では、数百人の会場は南京の大学生で一杯になりました。日本ではこうしたすごい光景は全く見られません。日本の若者は中国に対しては関心が薄く、理解に欠けています。帰国したら、周りにいる若者に中国の文化や歴史を積極的に紹介して、中日両国の青年の間の友好協力のために力を尽くしていきたいと思っています」
「北京週報日本語版」より 2007年12月15日 |