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狂言界の巨匠・野村万作氏が訪中公演
発信時間: 2009-05-14 | チャイナネット

北京週報記者 繆暁陽

日本の狂言界の巨匠・野村万作氏

著名な狂言師・野村萬斎氏

中華人民共和国建国60周年にあたる今年、日本の狂言界の巨匠、「人間国宝」の称号に輝く野村万作氏が著名な表現芸術家・野村萬斎氏(野村万作氏の長男)らを率いて2009年5月13日に中国に到着し、5月15日19時に北京長安大劇院で「2009年日本伝統芸能『狂言』中国公演」を開催する。

 

5月13日午後、北京長富宮飯店で今回の公演の記者会見が行われた。野村万作氏は、「能・狂言が中国の散楽・散曲を源として、日本の土壌で成立発展したことはよく知られている。日中文化交流の歴史的なサンプルといっていいだろう。私は1976年に日中文化交流協会の使節団の一員として訪中して以来、公演、交流会、テレビドキュメンタリーなどで狂言を通じて日中の文化交流に積極的に参加してきたと思っている。このような中国への思いは、訪日された梅蘭芳、袁世海、李少春先生ら一行の京劇を観た感動に出発している」と挨拶した。

 

野村万作氏は中国文化に対する深い尊敬の心をもって数回にわたり訪中公演を行い、日中文化交流に深く寄与している。1998年、中国の著名な昆劇芸術家・張継青氏と昆劇「秋江」を共演した。これは中国の昆劇と日本の狂言が初めて合同で行った公演であり、各界の人々から高い評価を受けた。野村万作氏は「日中の伝統演劇およびそれぞれの独自性は、もっと学び合うべきであり、また現代といかに接点を持つべきかという共通の問題点を語りあうことは、大変有意義なことと考えている」と述べた。

 

野村万作氏は日本でその芸術に高い評価を受けており、2007年に日本国家の最高の栄誉である「人間国宝」に認定された。今回の中国公演にあたり、中国芸術研究院は野村万作氏の芸術を高く評価し、今後もさらなる中日両国の学術交流を促進させるために、5月15日に中国芸術研究院院生部より「名誉教授」の称号を授与することになっている。

 

今回の公演の演目では「三番叟(さんばそう)」、「棒縛(ぼうしばり)」、「茸(くさびら)」が予定されているが、いずれも「万作、狂言十八選」に選定された古典的作品であり、野村氏の長期にわたる芸術活動の心血が凝縮されている。野村万作氏は、「狂言は人間讃歌の劇と言われている。舞台上でどんなに激しい対立があっても、幕へ入れば握手をしていると想像される和楽の世界を描いているのが特徴だ。今回の公演を通じて、狂言の心とそのユーモアとを共に紹介したい。『老骨に鞭を打つ』という言葉があるが、私は『三番叟』という祝舞を、中国の輝かしき建国60周年の祝意と長く充実した両国の一層の交流を祈念して精一杯舞いたいと思っている」と語った。

 

野村万作氏プロフィール

1931年、東京生まれ。日本重要無形文化財各個指定保持者(人間国宝)。祖父の故・初代野村萬斎氏および父の故・6世野村万蔵氏に師事。3歳で初舞台。早稲田大学文学部卒業。「万作の会」を主宰。

「北京週報日本語版」より2009年5月14日

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