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日本で活躍している伝統楽器「古筝」のスペシャリスト毛Yさん
発信時間: 2009-07-03 | チャイナネット

 張: 古筝と日本の琴との違いはどのあたりにあるのですか。

 毛: まず弦の数が違います。日本の琴は13弦が一般的なのに対して、中国の古筝は21弦あります。それから弦の素材も大きく異なります。日本の琴は絹を張っているだけですが、古筝の弦はきわめて複雑な構造になっています。弦の中心は鋼線なのですが、そのうえにさらに銅線、絶縁体、ナイロン線をまいた形になっているのです。そうすることで、低音、高音を問わず、バリエーションと余韻のある、独特な音色をつくり出すことができるのです。ちなみに、古筝の原型である筝は秦の始皇帝の時代には、すでに存在していたといわれています。古くから宮廷音楽を支える重要な楽器のひとつとして大事にされてきたそうです。以来、その形は進化をつづけ、約50年前に現在の古筝の形になったのです。一方、日本に伝わっている筝は唐代のもので、その当時の姿をほぼそのまま保っています。

 張: 日本で生活するうえで注意していることはありますか。

 毛: 日本人と中国人は文化や歴史も違えば、考え方や習慣も異なります。中国人のなかには日本で暮らしているうちに中国の文化や歴史を軽視してしまう人たちがいますが、私はあくまで中国人としてそういった感性を尊重したいと思っています。

 張: 毛さんはどのようなことをモットーにしていますか。

 毛: 不可能を可能にするよう、チャレンジをつづけることを心がけています。そして、何事にも失敗をおそれずに、何年かけてでも成功させるという意気込みを持つようにしています。ですから、自分が目標とする人物は、自分よりも新しい価値観と創造力を持った偉大な人物に設定するようにしています。高校1年生のとき、ある取材で「自分の演奏を誰と比べていますか」という質問を受け、「私の先生と比べています」と答えたことがあります。記者の人は「チョット調子に乗っているのでは」といっていましたが、そういうつもりでいったわけではないのです。あくまで上を目指すには、つねに上のレベルの人たちからの指導を仰けながら、それを超えていこうとしなければいけないと思っているだけのことなのです。

 張: 毛さんの今後の目標についてお聞かせください。

 毛: 昨年、国連本部の招聘でニューヨークに演奏旅行に行ったのですが、その際に自分の小ささを実感しました。おかげで、中国の音楽が世界的にどの程度の位置にあるかがわかりましたし、音楽で世界の人たちとどう接していくかを考えなければならないと思うようにもなりました。そんなこともあって、最近は演奏を通じて内モンゴルの砂漠緑地化を支援するなど、恵まれない人々の支援活動にも、力を入れるようになったのです。

 張: これからの演奏活動にも期待しています。ありがとうございました。

 「中国国際放送局 日本語部」より2009年7月3日

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