日本の各大学は84年から中曽根内閣が10万人の留学生を受入れる計画を提起して以降、絶えず留学生募集を拡大しており、08年の統計では、在日留学生総数は12万近くに達し、そのうち一衣帯水の中国からの留学生が約70%を占めています。07年には福田内閣が、再び30万人の留学生を受入れる壮大な計画を発表。神戸大学は時代の流れに沿って、93年4月に留学センターを開設、00年には使用面積150平方メートルの留学生センタービルを建設しました。現在、神戸大学で学ぶ留学生は1044人を数え、中国人は481人とそのほぼ半数を占めています。中西教授は00年に同大学留学生センター副部長、05年に部長となり、同センターの指導的な仕事を担っています。留学センターには19人の専任の教職員がおり、留学生の交流推進、日本語と日本概況の教育、留学生の相談・座談などを担当する部署があります。神戸大学は兵庫県内で知名度の最も高い国立大学であることから、留学生センターは全県の留学生と日本の学生との交流事業の推進も担っています。
教授は日本語の講義では留学生の指導教官であり、講義が終われば留学生の知己であり、生活面でもいろいろと関心を寄せています。教授の研究室は留学生にとって非常に開放的で、指導・教育の仕事をさらに改善したいと、留学生の勉強や研究、生活、健康、留学費用などに関する意見や提言、要望に直接耳を傾けています。また、中国からの留学に関するEメールによる問合せは毎年200件を超え、教授はその1つひとつに丁寧に答えています。留学センターは言語教育以外にも、留学生のために悩みごとや問題を解決したり、住まい探しを支援したり、奨学金を支給したり、補助金の申請をしたりしています。教授の提唱で、同センターは春秋2回の新入生歓迎の夕べ、就職講座、日本文化をめぐる旅行、卒業生歓送会など、学内で様々な形の国際交流活動を毎年行ってきました。留学センターはまた北京、上海、広州、大連に同窓会があり、帰国して仕事をしている中国人卒業生、中国で仕事をしている日本人卒業生が会員で、中日の交友たちの友好と交流の場となっています。神戸大学は北京に事務所を開設、中国政府が派遣する10人の公費留学生を毎年受入れています。こうした学生は、中西教授が自ら指導するなか、言葉の難関をスムーズに乗り越えてきました。この16年間に講義した中国人留学生は2000人近くに上り、独特かつ創意に満ちた講義方法は留学生から高い評価を受けています。本科や大学院入学後も、また卒業後も、言葉の難関をスムーズに越えられるよう指導してくれたこの日本語教育の権威を忘れられず、連絡を取り続けているのはそのためです。教授は04年から、国際文化学の研究を専攻する院生の指導教官を務めており、6人のうち4人が中国人留学生です。
教授はすでに還暦をすぎましたが、いまだに精力的に日本語教育や国際交流の舞台で活躍。兵庫県や神戸市主催の国際交流活動を積極的に組織、参与しています。国際文化や留学生交流の分野で活躍する著名な学者として、2年前には国立大学日本語教育研究協議会代表理事を兼任。現在も神戸日本語教育協議会々長、千趣留学奨学生財団評議員、神戸留学生友好交流・家庭交流センター理事などの社会的職務を兼任するかたわら、日本語教育や日本言語学、留学生教育などの研究に携わっています。教授は中国の学生に大きな期待を寄せています。「神戸大学留学生センターは品行、学力ともに優れた中国の学生が本校に来て学んでくれることを心から歓迎する。日本留学では多くの予想外の困難に出遭うかもしれないが、はっきりした人生目標を胸に抱き、決心をし、学問に限りはないが苦労して舟をつくりさえすれば、必ず自らの遠大な抱負を実現することができる」。中西教授の激励の言葉です。
「北京週報日本語版」 2009年8月26日
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