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日本農業は中国にとって教訓か?高畑部長に聞く
発信時間: 2009-09-01 | チャイナネット

2.中日の農業従事者たちの交流の成果

――団員たちは順調に交流を終えて帰国しましたが、今回の交流で高畑部長にとって印象深いことはありますか。交流の成果は希望通りだったのでしょうか。

順調に交流を終えたと言ってもらいうれしい限りです。期間中、多くの分団員から、あそこが見たい、これが見たいと積極的な意見をもらいました。これはうれしかったですね。

今回は準備期間中に中国と直接、情報交換ができなかったので、スケジュール案が本当に中国側の要望にあっているのかどうか分かりませんでした。事前にそれぞれの希望を中国側でまとめてもらえば、それなりの手配が出来たのではないかと感じました。次回、私達がこの交流を担当できればもっと実り多い企画を出せると思います。

私は海外生活が長いので、外国で多くの中国人に会い交流してきました。皆さんは同じアジア人としてとても親切でした。それに引き替え過去に中国を3度訪問していますが、母国本土の中国人の中にはとても自己主張の強い人が少なからずいて、良い印象ばかりではありませんでした。今回、私自身の印象、そして同行した協会職員の青年たちへの印象のどれもとても良いものでした。中国もどんどん変わっているのが感じられてよかったです。

農業作業者分団の陳凱雲団長とプレゼントを交換する高畑部長(左)

3.中日農業の異同

――日本の農業は非常に精密な作業が行われているのが印象的でしたが、中国では農地の面積が広く、少し事情が異なるのではないかと考える団員がいました。日本の農業と中国の農業の異同について高畑部長はどう考えていますか。

中国は確かに広大な国ですから、日本とは多くの点で異なっていると思います。残念ながら私自身はその実態をよく知りませんので、この質問に応えるのは難しいです。数字上の比較では、個々の平均耕作面積に関しては、日中であまり大きな差はありません。日本の平均耕地面積は1.8ヘクタールで、私の見た資料では中国の全国平均は1.32ヘクタール(1.98ムー)です。

日本の森林率は66%で、残りの34%の土地に人が住み、工業と農業生産を行っています。従って少ない農地をいかに効率的に使うかが重要です。政府は狭い耕作面積でも食料の自給率向上を計る必要がありますので、多くの補助金で田畑整備や生産材投入を行う必要がありました。その政策が中国青年の目から見て精密な農業と映ったのかも知れません。

別な視点で言えば、マーケットにおける消費者の意見が強いのも日本の特徴です。最近の消費者は農産物の安全や安心に対して非常に厳しい目をもっており、輸入農産物はこうした日本の消費者のニーズに対応しきれていません。度重なる残留農薬問題などによって信用を失っているのも残念ながら事実です。

そのため日本の農家は、価格は高くてもこれらの消費者ニーズに極め細かに対応する農産物を生産することによって、安価な外国産農産物に対抗しています。農薬を使わない、あるいは減農薬農業は必然的に精密な日々の作業を行わなければ生産を上げることができません。日本の農民はこうした苦労を日々払っています。

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