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日本問題専門家が語る衆院選と民主党の今後
発信時間: 2009-09-04 | チャイナネット
人民網を訪れる趙剛氏(真ん中)と加藤嘉一氏(左)

 中国社会科学院日本研究所の日本問題専門家・趙剛氏と、日本人留学生で時事問題コラムニストの加藤嘉一氏が3日午後、人民網を訪れ、日本の総選挙と民主党の今後について論じた。

 ■民主党政権で日本の政治は変わるか

 【趙剛】今回の民主党政権の誕生で日本の政治がある程度変わるのか、それとも形が変わっただけで中身は元のままに終わるのかは、やはり4年後の結果を見る必要がある。ただ一点、民主党が選挙前に掲げていたスローガンは「変化」だ。総選挙前、両党の最大の政治的主張が公衆の前で明らかにされた。1つは現状維持、もう1つは変化。したがって民主党は政権発足後、間違いなく変化を進めなければならない。社会制度、社会福祉保障、官僚と公務員の関係等々を変える必要がある。変化の方法も示されている。これらが今後日本をどの方向へ導いていくのか、わたしたちは刮目して待っている。

 【加藤嘉一】鳩山由紀夫氏はオバマ米大統領との10数分間にわたる電話会談で、今回の民主党の勝利について、米国民とオバマ大統領に感謝した。オバマ大統領が「チェンジ」という言葉を掲げてから、日本で大きなうねりが起き、多くの人がこの言葉を重視するようになったからだ。政治は人気、行政は業績次第。つまり指導者の魅力、人格を見なければならない。無論、鳩山氏の個性はオバマ氏ほど鮮明ではなく、より中庸、穏健、または比較的落ち着いている。「友愛政治」を提唱しているからだ。今回のこうした政権交代の雰囲気の中で、仮に自民党が変革を口にしても何の説得力もなかったろうが、民主党は新しい党として変革を打ち出した。その最も具体的なものが政権交代だ。これはわかりやすいロジックで、多くの民衆が呼応し、今回の高い投票率につながった。

 鳩山氏は30日夜の記者会見で、「3つの交代」を掲げた。1つは政権交代。2つ目は、古い政治との決別。政治の世代交代を図り、政治家の出身を多様化する。3つ目は主権の交代。つまり官僚主導型の専制と決別し、政治家主導を実現する。政治家は国民を代弁するものだから、こうした変化が含まれる。

 
 ■民主党は他の連立与党との関係をどう調整するか

 【加藤嘉一】民主党は衆議院では過半数を占めるが、参議院では少し劣り、半数に及ばない。予算案や各種法案の順調な可決のためには、他党と連立を組む必要がある。だがこの過程において、各党は理念や主張が異なる。連立によって法案可決はより順調になるが、結局は異なる理念の結合であり、実行には一定の困難を抱える。ちょうど目にしたいくつかの報道によると、3党の代表が会談したが、外交・安保分野についてはとりあえず棚上げすることになった。不一致や対立があるからだ。中日関係や基本的な対外政策では、余り多くの不一致や対立はないと思う。だがインド洋での給油問題や、日米関係の微妙な調整の問題等々では、一定の不一致や摩擦がある。こうした問題について、民主党は今後、どのように各党との調整を図るかという問題に直面する。
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