金融危機の発生から1年が経過した。日本は金融危機の震源地ではなかったものの、大きな影響を受けた。日本政府と中央銀行はここ1年、経済刺激のための財政政策を緊急発動し、通貨政策を緩和するなどの措置を取ってきた。日本の金融状況は現在、どのような局面を迎えているのか。直面する問題と試練は何か。学習院大学経済学部の奥村洋彦教授とシンクタンク「三菱総研」の元経済専門家である岡本薫氏が、金融危機から1年たった日本の金融状況を解読した。「国際金融報」が伝えた。
▽日本への影響
奥村氏:日本の金融業は90年代、バブル崩壊の洗礼を受け、過去のやり方を反省した。そのため、金融の監督・管理は大きく改善していた。今回の金融危機では、日本の金融業は、ある程度の打撃を受けたものの、基本的には健全な状況を保っている。
▽直面する試練
奥村氏:日本の金融業は現在、融資金の返済で大きな試練を抱えている。中小企業への貸し付けと個人の住宅ローンの問題は世界の経済情勢と強く連動している。世界経済が下降すれば、日本経済も共に下降し、融資金の回収に困難が出てくる。
岡本氏:日本の金融業は主に2つの問題に直面している。まず、新興産業を育成する能力が弱いということ。銀行には大量の資金があるが、十分な先端情報を投資者に提供する能力が不足している。次に、日本の金融機関には進んだ金融商品を開発する能力が足りないこと。金融工学の面で弱点がある。
▽今後の展望
岡本氏:日本の金融機構は、企業に対する長期的な支援にたけている。だがイノベーションや革新といった能力は欠けており、改善が必要だ。
奥村氏:日本政府はがしなければならないのは、経済規模を拡大し、環境技術や新エネルギー政策によって経済発展を刺激することだ。中国などの国が日本の環境技術やエコカー、新幹線などを買い入れれば、日本経済は大きく促進することになる。
「人民網日本語版」2009年9月15日