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経済危機の中で影を落とした日本の製造企業
発信時間: 2010-02-02 | チャイナネット

東京の羽田空港の日本航空の飛行機(1月8日)

米国のMSNBCは1日、日本の主力航空会社の日本航空が破産を申請したあと、世界最大の自動車メーカーであるトヨタは、アクセルベダルの不具合が発生する可能性があるとして、各国で販売した800万台をリコールし、フランスのPSAプジョーシトロエンも、トヨタとの合弁工場で生産したプジョー「107」とシトロエン「C1」の2車種10万台余りをリコールすると発表しているが、日航やソニー、トヨタなどの日本の大企業には次々と問題が発生し、日本の工業の名声は大きな打撃を受けていると報道した。

ソニーはデジタルカメラの品質に問題があり、デジタル消費のリーダー的地位を失った。日本国内2位の自動車メーカーであるホンダも、パワーウインドーのスイッチに漏電の恐れがあるとして、各国で64万6000台のフィットをリコールした。

日航の債務超過やトヨタの大規模な全世界に及ぶリコールが加わり、日本の製品や工業への信頼が揺らいでいる。中国はすぐに日本を超えて世界第2位の経済大国になり、韓国企業も奮起している最中だ。

トヨタやソニー、日航は同じような問題に直面していると専門家は話す。それはグローバルな拡張の危機や現状への満足、成功して生じた傲慢さと、「大きいものは倒れない」という心理だ。ニューエッジグループ香港駐在所のアナリストであるコビ・ディレー氏は「日本企業には傲慢で尊大、うぬぼれていて、自社製品の品質が一番だと考えている。そして経済危機は日本企業の弱点を容赦なく暴いた。ソニーやトヨタは今、中国や韓国などアジアの他の国との激しい競争に直面している」と分析。

またCSFB証券会社のストラテジストである市川眞一氏は「こうした企業は低価格の製品を提供できるが、品質は下がっている。日本企業はコスト削減で需要の増加を満たし、競争力も留めたが、より多くの販売という目標を追求したために、品質への要求が甘くなった」と指摘する。

トヨタはよく違う車種に同じ部品を用いコスト削減しているが、ある部品に問題が発生すると、トヨタの各国での業務に影響を与える。今トヨタが陥っているのは、世界的で急速な拡大と品質確保というジレンマだ。

早稲田大学大学院アジア太平洋研究科のケネス・A・グロスバーグ教授はこう話す。「企業が生き残るためには、製品の品質が密接に関係してくる。そのため今回の事件はトヨタにとって大きな打撃だ。事故のない会社だったが、なぜこんな重大なミスが起こったのか。このミスは明らかに操作を妨げる」

今まで日本国内での自動車メーカーへの信望は高かった。それは日本人が日本製品は外国製品より品質がいいと考えていたからだ。高齢化社会に入り、多額の債務や緩慢な成長という危機の中にあっても、日本人は世界の科学技術の重鎮である日本企業が、まだ世界をリードする地位にあると信じていた。しかし今回のリコール事件はこうした考えを打ち砕くことになった。トヨタは緊急措置を講じて、消費者の信頼を回復させるべきだろう。そしてその他の日本の製造業者も、日本の製造業が人々の信頼を勝ち取った基礎は安全と品質だったということをよく記憶しておく必要がある。

「チャイナネット」 2010年2月2日

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