中国国防部が2011年5月2日に開いた定例記者会見で、耿雁生報道官は中国が軍隊のネットワークの安全保障を目的に、「ネット藍軍」(サイバー軍)を設立したことを認めた。
ネット藍軍とは
中国軍事科学学会副秘書長の羅援氏は、「中国のネット藍軍とは、部隊の訓練の名称だ。この訓練は、サイバー攻撃に対応する予防的な措置だ」と指摘した。中国国防大学の軍事専門家の李莉氏は、「西側諸国のサイバー軍と比べ、中国のネット藍軍は初歩的な段階に留まっている。一定規模のサイバー部隊というよりは、中国軍が実施するネットワーク対抗訓練の手段というべきだ」と述べた。
目的はネットワークの安全保障
中国の軍事専門家、国防大学教授の張召忠氏は、「中国はネットワークへの依存を強めているが、中国にはルートサーバが1台もない。また中国のハード、多くのソフトの提供者は、ほぼ米国となっている。中国はコンピュータのユーザーに過ぎず、ネットワークセキュリティは脆弱だ。この環境の中、ネットワークの安全を保障する部隊の設立が、中国にとって必要不可欠となっている」と指摘した。
情報社会の必然的な措置
李氏は、「ネット藍軍の設立は、必要かつ有意義なことだ。しかし西側のサイバー軍と比べ、中国のネット藍軍には数多くの問題が存在している。例えば中国のサイバー戦の理念、サイバー軍の職能・使命・規則を健全化し、サイバー戦の施設を改善し、国際法の整備を進める必要がある」と語った。
中国国際問題研究所の研究員である滕建群氏は、「中国のネット藍軍の設立は、中国の陸軍や空軍と同じく、歴史の必然的な措置になる。これには分かりやすい理由がある。我々は情報化社会で暮らしており、この環境における新たな時代の戦いに適応しなければならない。中国のネット藍軍は、国家レベルでも戦争レベルでも、経済発展に対しても社会の安定に対しても、重大な戦略的意義を持つ。中国のネット藍軍は、国家安全に貢献するだろう」と強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年7月30日