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japanese.china.org.cn | 07. 08. 2016

「証言で歴史教育を埋める」 『南京 引き裂かれた記憶』中国語版が出版へ

タグ: 『南京 引き裂かれた記憶』 松岡環 中国外文局

 

松岡環女史

 

被害者と加害者の証言で裏づけ

松岡環女史は関西大学文学部東洋史専修を卒業し、小学校教員をしていた。6年生の歴史の授業で、日本の歴史教材における戦争に関する記述が曖昧であることに気がつき、学生の「南京大虐殺」に関する質問に答えられないこともあったことから、戦争の真相を探ろうという思いが芽生えた。

1988年、南京を初めて訪れた松岡女史は中国侵略日本軍による惨烈な暴行に衝撃を受けた。その後、南京大虐殺被害者の李秀英氏との対談で李氏が日本人を深く恨んでいることを感じ、南京大虐殺について民間調査を行うことを決意した。

こうして、松岡女史は長く苦労に満ちた調査と証拠探しを始めた。南京大虐殺被害者の証言を得るため、松岡女史は毎年4~5回自費で南京を訪れ、被害者を尋ねて取材し、その証言を記録した。南京大虐殺60周年にあたる1997年、松岡女史は証言に説得力を持たせるため、日本で様々な方法で中国侵略に関わった元兵士を探し、加害者側の証言を得た。

二十数年間で、松岡女史は300人以上の南京大虐殺生存者と250人の中国侵略元日本兵から証言を得た。これらの証言は互いを裏づけるものであり、反駁しようのない事実で南京大虐殺の過程を明らかにした。松岡女史はこれまでに南京大虐殺に関する日本語・中国語の書籍を5点出版し、ドキュメンタリー3本の制作に参与した。

2016年4月、英文出版としては初となる南京大虐殺の元日本兵と被害者の証言を記載した書籍『南京 引き裂かれた記憶』がカナダのトロントで出版された。同書は松岡女史が過去に出版した日本語版・中国語版から抜粋・編集して制作されたものである。特に、侵略者と被害者の時間や場所などの細かい供述の一致した部分を抜粋し、互いを裏づけ、南京大虐殺の真実を明らかにした。

 

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