Panda杯の訪中旅行を「本当にいい経験でした」と語る中島さん(左端)。中国留学とはまた違った体験ができたと言う。北京、上海、南京、四川など中国各地で、新しい中国の友人との出会いがあった
しかし「とても感激したのでは?」という記者の問いに対しては、「いいえ」と意外な答えが返ってきた。「友人からの連絡はスマホで見たんですが、最初はとにかく感激でも興奮でもなく、スマホを握りしめたままただただ『呆然』」と笑う。しかしそのあとから感動と興奮がじわじわと湧き上がってきたと振り返る。
取材を受ける中島さん
「家族には今日になってようやく、習主席からの返信について話しました。なぜってびっくりしすぎて信じられず、家族にも言えなかったからです。家族も私と同様、なかなか信じられないといった感じでした」
大学に入ったばかりの中島さんは日本人の多くがそうであるように、『三国演義』や『水滸伝』がきっかけで中国と関わるようになったが、当時は中国の知識がほとんどなく、中国人の友達もいなかったという。しかし中国旅行や留学を経るうちに、中島さんにとっての中国は「物語」の中の存在ではなく、目の前に鮮やかに映る「今の中国」へと変わっていった。
中国の古典文学が好きな中島さんは、2017年の夏休みに復旦大学漢語言文学専攻の高級進修生として留学。中国語のブラッシュアップにつとめた。半年の留学期間中、授業の合間を縫っては中国南方の各地を巡ったという。そのほとんどが一人旅。一人旅だからこそ多くの出会いに恵まれたと、中島さんは振り返る。「美しい風景を眺め、当地ならではの美味を楽しむ旅行でした。そこには多くの中国の人々との出会いがありました。どんな体験も印象的なことばかりで、留学生活の良い思い出です」
次の中国旅行で行きたいところは?との問いには「中国は大きいので、行ったことがないところに行きたいとは思います。でもやはり上海に行きたいと思ってしまいますね」と笑いながら答えた。