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japanese.china.org.cn |10. 05. 2021

「宣言」延長、東京五輪の行方は?

タグ: 東京五輪
中国網日本語版  |  2021-05-10

周牧之 東京経済大学教授


 編者ノート:世界トップクラスの医療水準を誇る日本がなぜ再三の「緊急事態宣言」でも新型コロナウイルス感染拡大を制圧できないのか?東京五輪は予定通り開催できるのか?「ゼロ・COVID-19感染者政策」はどういうことなのか?また「ウイズ・COVID-19政策」とは?周牧之東京経済大学教授が「宣言」の延長に際し、詳しく解説する。


 5月7日、日本政府は東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に発令中の「緊急事態宣言」を5月31日まで延長し、さらに愛知、福岡両県を対象に加えることを決めた。「宣言」は、日本式のロックダウンとも捉えられる措置で、今回の延長は、これまでの「短期集中」シナリオが崩れたことを意味する。


 2020年4月8日、76日間のロックダウンを経て、中国の武漢市は都市封鎖を解除した。その前日の4月7日、日本は東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県に対して「緊急事態宣言」を発令した。その後、「宣言」対象を全国に拡大した。第一回目の「宣言」は49日間続いた。


 2021年1月8日、日本政府は東京など4都道府県に第二回目の「緊急事態宣言」を発令し、73日間続いた。


 武漢のロックダウン解除一年後の同日、2021年4月8日、東京都の小池百合子知事は「まん延防止等重点措置」を東京に適用するよう政府に要請した。


 「まん延防止等重点措置」は「緊急事態宣言」に準じたもので、菅政権は「宣言」の経済社会に対する影響を和らげるために打ち出した。


 しかし、「まん延防止等重点措置」の効果は乏しく、政府は4月25日、東京都、大阪府、京都府、兵庫県に対して第三回目の「緊急事態宣言」を発令せざるを得なかった。


 なぜ中国でのロックダウンは一度で済んだのに、日本の「緊急事態宣言」は再三繰り返されるのか?


 1.徹底的でない「緊急事態宣言」

 

 実際、「緊急事態宣言」をトーンダウンした「まん延防止等重点措置」を打ち出すどころか、むしろ「宣言」そのものが、ゆる過ぎた。日本の新型コロナウイルス対策の問題は、下記の3点に集約できる。


 (1)ゆるい「宣言」目標

 まず、「緊急事態宣言」は、すべての社会手段を講じて人と人の接触をシャットダウンすることは求めてはいない。最初から「人の接触を7〜8割削減」することを目標に置いていた。これは、休業、休講を要請し、交通を遮断し、極力移動と接触を避ける措置を取った中国のロックダウン政策と比べ、極めてゆるい要請であった。


 (2)新規感染者数がゼロにならないままの「宣言」解除

 第一回目の「緊急事態宣言」を発令後、確かに新規感染者数は急速に減少した。しかし、状況改善を受け、政府は2020年5月25日に「宣言」解除をした。


 武漢は新規感染者数がゼロになった日を16日間も続けたのちにようやく「都市封鎖」を解除した。


 しかし「緊急事態宣言」解除は、新規感染者数がゼロになることを待たなかった。感染症の蔓延を断つことが出来ないままの解除は、感染力の極めて強い新型コロナウイルスの感染再拡大という禍根を残した。


 東京では早くも第一回目の「緊急事態宣言」解除1週間後には「東京アラート」で都民に警戒を呼びかけることになった。


 (3)移動奨励政策

 もっとも問題なのは、日本が2020年7月22日に、経済活動を刺激する観光振興策「Go Toトラベル」キャンペーンを、東京を除外してスタートさせたことである。同政策は、実質的な「移動奨励政策」で、しかもスタートのタイミングは最悪であった。その日、新規感染者は792人も出ていた。これは第一回目「緊急事態宣言」時ピークの1.1倍の数字であった。まさしくなり振り構わぬ敢行であった。


 その結果、日別新規感染者は急増し、10日後には1,575人となった。これは、第一回目「緊急事態宣言」の際の新規感染者数ピークの2.2倍の規模であった。


 10月1日、東京都も「Go Toトラベル」キャンペーンに加わった。その後、新型コロナウイルス感染拡大が加速し、11月28日に「Go Toトラベル」キャンペーンの一時停止せざるを得なくなった。その僅か12日後に、政府は第二回目の「緊急事態宣言」を発令した。



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