中日両国>
japanese.china.org.cn |27. 05. 2021

在日ウイグル族青年が語る故郷・新疆

タグ: 新疆

日本人の誤解に危機感

しかし中国に好感を持ちパルチさんと親しくしてくれた茶道の先生でも、メディアが報道するいわゆる「ウイグル問題」の影響で、新疆についていささか誤解をしていたようだ。

「私は19年3月に日本の大学を卒業したあと、6月に一旦帰国して北京語言大学の卒業式に参加し、1週間後日本に戻りました。茶道の先生にすぐ連絡ができなかったため、先生は私が新疆に戻ったあと、日本で報道されているように国外との連絡を絶たれて二度と出国できなくなっているのだ、卒業の時に日本で会ったのが最後になってしまったと悲しんでいたようです。再会した時にはずいぶん文句を言われました」と語る。

こうした日本の友人たちの誤解を語る時のパルチさんの表情には、無力感が漂う。「私の帰国や出国に何の問題もなかったのに、みんながそれを疑うのです。そうした雰囲気は1819年くらいから始まりました。新たに知り合った日本の友人は、私がウイグル族だと知ると『大変ですね』と異口同音に言います。どうも西側のメディアによる中傷やねつ造は、すでに事実として受け止められているようですね。同情や関心は私への慰めや支えのつもりなのでしょうが、私はそうした声を聞くたびに疲労感を感じます」

 

 20196月パルチさんは北京語言大学の卒業式に参加するために、一週間中国に戻った。家族と一緒に卒業記念写真を撮った

 

特に今年に入ってからは、西側のメディアが新疆綿のプランテーションでの強制労働という報道をし始め、「ウイグル問題」の議論に火を着けた。

「新疆綿関連の誤報を見た家族は、私と同じように怒っていました。以前新疆で暴力やテロが起こった時に、新疆は危険だという負の印象を世界に与え、ようやく解消したと思ったら今度は『抑圧』の犠牲者とされてしまったのです。こんなことでは、新疆を外から見る人が『新疆はひどいところだ』というイメージを無意識のうちに刷り込まれても仕方がありません。自分の古里をこのように言われて腹が立ったり心を痛めたりしない人はいないはずです」と悲しみを語る。

新疆を取り巻く国際世論が厳しさを増す今、パルチさんには使命感のようなものが生まれたようだ。「日本の友人はほとんどメディアの偏った報道しか見ておらず、新疆について深く知る機会もありませんから、私はより多くの人々に真の新疆を知ってもらい、新疆が直面する世論の姿を変えるために何かする必要があると思っています。日常生活では周りの友人に新疆についていろいろ話をしたりしていますが、それにも限界があります。ですから私は、加入している中日青年産学連合会が主催する講演会で講演してもらいたいとお話をいただいた時に、またとない機会だと思いお受けしました」 

<  1  2  3  4  5  >